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【25.10.05】地方独立行政法人名張市立病院が設立されました
市立病院は市民の財産、これからも市民の声で守りよくしていきましょう
市民の財産である市立病院は、2次救急受入れ病院が無かった名張市で「助かる命も救えない」と市民の切実な要求から出来た病院です。毎年9億円ほど払っていた建設時の借金もようやく終わり、名張市の一般会計からの市立病院への繰出し金も減っていく予定でした。国からの交付金も一部ありますが、多くは市民の税金を用いて維持をしてきました。名張市立病院は市民の大切な財産です。
独立行政法人化は、市立病院の資産と人事や経営の権利を新しい法人に承継させ、経済性の発揮、つまり独立採算性の追求・強化が求められる制度です。
公営企業型地方独立行政法人が適用される病院事業は、目標の設定と業績の評価にもとづく組織・人事・財務の全体にわたる成果主義管理(目標→計画→実施→評価→見直し)がされます。それが議会や住民の関与を最小化するなかで、主に設立団体の長と設立団体の長が任命して外部委員で構成される評価委員会で行われます。
中期計画期間の満了時において、評価委員会から意見徴収を経て、設立団体の長が、組織・業務について全般的な見直しや検討を行うとされています。この全般的な見直しの検討は、業務や組織の維持・継続を前提にしたものではなく、事業の廃止や経営形態の再変更を含むほか、組織の再編や業務の抜本的見直しに及ぶものです。
公立病院改革ガイドラインQ&Aの中で総務省は、「地域医療構想を踏まえて当該公立病院の役割りを検討した結果、公的病院、民間病院等との再編が必要となるケースも生じることも想定される。」「他の医療機関との統合・再編や事業譲渡等にも踏み込んだ改革案についても検討の対象とすべきである。」としています。
このことからも、地方独立行政法人化は経営改善を理由として経営形態を法人に変え、地域医療構想の実現をめざす、病院の統廃合・再編のゲートウェイとしての位置にあるといえます。病院の地方独立行政法人設立、定款の変更、解散及び合併の認可申請は、三重県地域連携・交通部 市町行財政課です。このことからも病院の独立行政法人化は行財政改革ということです。
公立の拠点病院が危機的な赤字経営、全国の86%が令和6年度に経営赤字と全国自治体病院協議会による調査結果が出ています。赤字の原因は国の診療報酬が人件費や医療機器、薬等の高騰に見合っていないことも明らかになっています。名張市立病院を独立行政法人にするのはあまりにも無謀です。
県からもらった公立病院改革の取組結果(自治財政局・準公営企業室)の資料から、令和3年度10月時点、全国の公立病院数は853、その中で独立行政法人病院はわずか94(11%)です。このことからも、公的医療、行政の政策医療を維持するために多くの自治体において直営を継続していることが分かります。
名張市立病院は独立行政法人になりましたが、名張市の市民の医療と健康を守る責務を決して後退させないように提案をしていきます。
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