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【25.04.03】名張市立病院地方独立行政法人、中期目標

名張市の救急病院は市の直営で守ろう

市が策定した地方独立行政法人名張市立病院の定款の目的は「地域住民に良質かつ安全な医療を提供するとともに、地域の医療機関及び名張市と連携して、地域住民の健康の維持及び増進に寄与することを目的とする。」としかなく、市民が一番心配している救急医療の堅持が向け落ちています。議会で、法人の定款の目的に救急医療の文言が入っていないことを、市民の不安の声を持って指摘しました。市長から「中期目標に入れる」との答弁があり、救急医療の提供が入りましたがこれは期間が3年半の目標であり、また途中でも変更が可能であるもので、今後、法人化された市立病院での救急医療体制が変る可能性があります。

中期目標の一番最後に、広域的な地域医療体制の確保のため、引き続き主体的な役割を果たし「県が策定する「第8次三重県医療計画」及び「三重県地域医療構想」の実現に向け協力すること。」と明記されています。この三重県地域医療構想は、伊賀・名張地域で2025年で650床ある急性期病床を2030年までに357床減らし、293床にする方針です。根本にあるのは国の地方切り捨ての医療政策です。医療費削減のため、人口減少や財政問題を口実にして、国が地域医療構想で救急病床が過剰だとして、病床数の削減や公立病院の統廃合や民営化を進めています。しかし、私たちはかつて救急がなかったころの名張市、新型コロナウイルス感染症で、公立病院の民営化と集約化で多くの市民が医療を受けられないまま亡くなった惨状を目の当たりにしています。

名張市人口74,000人で市内の救急受入れ病院は名張市立病院だけです。かつて名張市に公立病院はなかったころ「助かる命も救えない」と市民の要求から18年間かけてできた病院です。開院して28年間、二次救急・小児救急、そして医師の確保や療従事者の研修や教育を行い、地域の医療・保健福祉サービスと連携していく地域医療拠点病院としての役割を担っています。加えて、感染症医療についても備えを持ち、新型コロナウイルス感染症流行の時は感染症病棟を設置し、市内外の感染者の受け入れを行いました。近年の自然災害の発生に対応する災害拠点病院にも指定され、地域住民の命と健康を日常的に守る市内唯一の公的医療機関です。市民の命に直結する救急の受け入れは決して後退させてはなりません。

そして、中期目標には、市民のニーズに応える医療政策が入っていません。
中期目標に市民に必要な医療政策を明記しなければ法人が策定し実施する中期計画に反映されません。この中期目標は不十分です。その目標に市民サービスや医療の向上、市立病因の経営の改善していく内容が見えません。

名張市の医療環境は、(人口10万人あたりの)医師数(120.05人)(全国平均310.59人)、病院数(2.62)(全国平均6.56)ともに少ない地域です。この間、市内の老人保健施設を併設する病院が倒産し、開業医は高齢化とマイナ保険証の導入などの負担で閉院が続いています。医師不足で応急診療所の夜間診察は廃止、地域住民の医療を守る公的医療機関である名張市立病院の役割は益々重要になっています。
市内には300人に及ぶ妊婦が出産を控えおり、市内での分娩施設の確保と市長の選挙公約である市立病院での産科開設を求められています。
1,市立病院での産科の設置
2,もっと身近な市立病院として、開業医が閉院する中で、応急診療所の夜間診療が廃止など、地域医療環境への対応としての紹介状なしの外来受診が出来るように。
3,経営改善を果たすためには、患者の受入れを増やさなければなりません。しかし現状は、病院内でのハラスメントは改善されず、看護師の大量退職が続いています。まずは、ハラスメントの根絶と処遇改善が急務です。



全国的に公立病院の地方独立行政法人化は進んでいません

公立病院は875ありますが、法人化している病院は63(7.2%)、内県立病院が42(4.8%)で、市立病院の独法化は21(2.3%)しかされていません。
公立病院は民間では担えない不採算医療、救急や小児救急、高額の医療機器を必要とする高度医療、市民や地域住民にとって命と健康に暮らしていけるための医療サービスが不可欠なため、公的医療機関が地域に存在します。
それは憲法に保障された、国民はだれもが健康で文化的暮らし、人としての尊厳を守られ、だれもが幸せに生きていく権利が保障されています。市民に一番近い地方自治体は住民の福祉の増進を実行するのが役割りです

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