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【24.09.29】医療保険証はこれまで通りに残して

名張市国民健康保険条例の一部を改正する条例の制定について 三重県後期高齢者医療広域連合規約の一部変更に関する協議について

今年の12月から現行の保険証の新規発行を停止し、マイナカードに保険証機能を持たせるマイナ保険証に一本化しようとしています。任意であるはずのマイナンバーカードの取得が事実上義務化されることになります。医療機関の窓口で混乱をもたらしています。国の法案は成立しましたが、制度への国民の信頼は失墜しています。保険証廃止の撤回、延期をほぼ全ての一般紙が社説で主張するほどで、現行の保険証を残すことが求められています。

全国保険医団体連合会が行った「マイナ保険証2024年5月以降のトラブル調査では、トラブルや不具合があったと答えた医療機関は69.7%で、医療機関でマイナ保険証による本人確認や資格情報の確認ができず、10割負担を求められるや他人の医療情報が表示されるなどが起きており、それらのトラブルの対応に78%が持ち合わせていた保険証を使用したと調査結果が出ています。患者はこれまで保険証一枚を提出すれば済んでいたものが、カードリーダでの読み取りや、医療情報提供の同意などが必要となります。
顔認証ができない、暗証番号を忘れるなど、デジタルに慣れた人だったらなんともないことでも、高齢者や機械が苦手な人、病気で体がしんどい時に窓口で手間がかかることは負担になり、弱者が使いづらいものです。

保険証がなくとも資格情報のお知らせが発行されるので、医療機関等でマイナ保険証が使えない時に窓口に提出すればいいとのことですが、このお知らせだけでは保険適用は出来ず、マイナ保険証と一緒に出さなければ使えません。資格情報のお知らせには氏名や被保険者番号が記載されているのに、わざわざマイナ保険証と一緒に出さないといけないもので医療機関・病院に行くときに2枚を持っていかなければいけません。
利用者にとって利便性が低く、医療機関でも実務が負担となります。

国民皆保険制度のもと、保険者は被保険者である国民健康保険加入者から保険税を徴収して、保険証を届けることは義務です。これが任意で申請して持つマイナ保険証と一体化すること自体に無理があります。申請よってでしか持つことができないマイナ保険証は、高齢者や障害があり自ら申請ができない人が排除されます。
マイナ保険証の電子照明機能は発行から5回目の誕生日までが有効期限です。更新を忘れると期限切れでマイナ保険証が使えなくなります。
また、施設入所の高齢者は、施設で保険証を預かり医療機関の受診をしています。マイナ保険証と暗証番号を預かるのはあまりにリスクが伴います。「申請すれば資格確認証を発行する」と答弁がありましたが、これも申請主義になっており、申請しないと入手できないのです。申請主義は無保険扱いを生み出し、被保険者の権利を守れません。現行の保険証の仕組みを残すことこそが最も確実です。

マイナンバーカード普及ありきの根本にあるのが医療DX(デジタルトランスフォーメーション)ですが、患者の医療情報が反映されるのにひと月かかり、現在服用している薬の情報は反映されません。また、マイナ保険証読み取り機の設置や医療DXに対応する機器整備や人的配置も必要でそれが叶わない医療機関は廃院する事態です。

日本を除くG7諸国を見れば、ドイツ連邦議会は共通な番号導入は違憲であるとの見解で、行政分野ごとに異なる個人識別番号が使われています。
フランスでは、1972年に社会保障番号を活用し、行政分野を横断して個人番号を集約・管理する計画が検討されましたが、国民の反対で計画を撤回し、行政分野ごとに異なる番号を用いています。
イギリスでは、政府による管理・監視社会に対する危機感や個人情報流出への懸念からIDカードが廃止されています。
カナダでは、あなたの社会保障番号は機密です。社会保障番号を財布に入れて持ち運ばず、安全な場所に保管してくださいと国民に指示しています。
アメリカ、カナダでもプライシー侵害にたいする国民の拒否感から、あらゆる個人情報を纏めたカードは存在しません。
個人情報を集約したマイナンバーカードを、常に持ち歩かざる負えないようにしている日本は個人情報と人権を守る観点で逆行しています。

マイナカード普及のために医療保険証の廃止を進める国の施策に対して、住民の一番近くで一人ひとりの命と健康、そして憲法に基づく基本的人権を守るたに、現行の保険証を残すことを求めましょう。地方自治の本旨を発揮して市民が安心して医療を受けられるようするために、この条例と規則の改正に反対です。


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