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【23.12.13】名張市立病院は大事

市立病院は市財政を圧迫しているか?

名張市立病院が市の財政を圧迫しているとして、市直営を切り離そうとしています。
しかし、市からの繰入金は、不採算を担う公立病院ですから国からの交付金が半分入っていますので、全額が市の税金というものではありません。2021年の名張市一般会計歳入は337億円で、市立病院への支出は12億2千万円、うち5億8104万円は国からの交付金です。よって6億3896万円の繰入金が市財政を圧迫するものではなく、地域住民の命と健康を守る大事な役割を果たしています。そして、新型コロナ感染症のように民間では担えない不測の事態に対応して感染者の受けいれを行い、別に国からの補助金も入って、市立病院は黒字(2021年4億7643万円、2022年4億5250万円純利益)になっています。そのことをまずみなさんにお伝えします。





職員の意識改革とは

この間の在り方検討委員会で市立病院職員の意識改革が必要で、独立行政法人にすれば進むと主張されました。公務員だったら意識改革ができないとも言われています。意識改革とはどういうことでしょうか。住民からすれば、納得のいく診療をしてくれて、患者の気持ちに寄り添った対応をして欲しいと願っています。市立病院の理念である「市民に信頼され親しまれる病院」そういう意識を充実させることが意識改革と思いますが、(プロパー職員)民間で経営改善を経験して人材を雇用して、経営上の数字を上げていくこというのです。しかし、これまでも市立病院にプロパー職員を雇用し経営改善に取り組んできましたが、市立病院が特段変化して良くなってはいません。逆にその職員によるハラスメントが職場で起こり、職員が安心して働くことを阻害する事態があります。それは、市立病院を守りよくする会のアンケート結果からも明らかです。


市議会の名張市立病院経営改革特別委員会で独立行政法人化の調査・検証はしていません

名張市議会の各会派からの代表がメンバーで市立病院経営改革検討特別委員会があります。この委員会で名張市立病院と同規模で経営改善を果たしている兵庫県芦屋市立病院と香川県坂出市立病院に視察にいきました。
 芦屋市立病院は、経営状況が悪い時、独立行政法人化を市から提案するも議会で予算・決算審議や病院管理者に議会から質問もできず、管理者の裁量で病院のあり方を決定できるため「議会のチェックがおよばない」と否決し、直営の公営企業法全部適用で経営改善を果たし、芦屋市民の医療を守り、市民にとって誇れる病院になっています。
坂出市立病院は、名張市と同じ経営形態で経営改革を実現しています。坂出市立病院には名張市立病院副院長も一緒に視察をしました。「独立行政法人にすれば問題が全て解決するというものではない」それぞれの病院の課題をしっかりとつかみ、一つ一つ丁寧に改善を進めることが大事ということを学びました。患者や職員の声をよく聞き、市民の声に心を寄せて、地域開業医の先生方とも十分に連携していかなければなりません。

ところが、この視察で学んだことを生かさず「市立病院の経営改革は、独立行政法人にして、その理事者の下で経営改革をするしかない」との主張です。なぜ選択肢が独立行政法人だけなのか?を問うても答えはありません。独立法人化在りきです。
滋賀県大津市民病院では、独立行政法人化で経営改善を目指しましたが、理事長の経営重視の方針に医師が反発し大量の退職となり救急受け入れがストップせざる終えなくなりました。経営改善どころか、市立病院の機能が果たせない事態に陥ったのです。市立病院を良くしていくために大事なことは、理念を明確にし、職員と共に目標に向かっていく対話と協働です。これが視察した病院での教訓です。

独立行政法人化すればく黒字になるというものではありません

「独立行政法人にすべき」と答申が出された在り方検討委員会を傍聴しました。その中で「三重大学からの医師の派遣は期待しないように」と三重大学副院長の発言がありました。芦屋市立病院も坂出市立病院もいくつかの大学病院とコンタクトを取って医師の派遣を確保しています。また大学だけに頼るのではなく、独自に若い医師の確保に取り組んでいます。それは、独立行政法人でなくともできています。そして、市立病院経営強化プランの委員長でもあり、プラン審議の最終の会議の時には「独立行政法人にすれば黒字になるというものではありません」と発言されました。その通りだと思います。ではなぜ独立行政法人にしなければならないのでしょうか?
在り方検討委員会の答申に対する市民説明会・意見交換会で独立行政法人化に対する疑問や不安の声がどの会場でも沢山ありました。それに対する回答は「まだ決まっていないので」ばかりでした。さらに議会の中で市長や市立病院に問うても答えはないままに、今年度中に市長が経営形態についての方針を出すと言っています。

名張市立病院は市民の切実な願いでできた病院です

26年間にわたって、救急医療や高度医療、感染症対応など、地域医療を守ってきました。市立病院の建設費約200億円の借金もやっと返し終えます。名張市独自超過課税の固定資産税の増税の時も都市振興税として、市立病院の充実のためと説明がされていました。まさに市民の大事な財産で市内唯一の救急を受け入れる公立病院です。この病院を市民の声を聞かず、市民の疑問にも答えず、市外の委員が中心となった在り方検討委員会の答申を基に、名張市直営から切り離し、独立行政法人化することを許していいでしょうか。

高齢化が進む中で、公立病院が近くにあること、子育てするうえでも小児救急があること、働く世代にとっても事故などいざと言う時にちゃんと受け入れができる病院があること、このまち名張に住み続けられるために、名張市が安心して住めるまちとしてあり続けるためにも市立病院が大事ではないでしょうか。
 主権在民このまちの主人公は私たち、市民です。市民の声と行動で、希望の持てる名張市にするためにみなさん力を合わせて、名張市立病院を守りよくしていきましょう。


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