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【23.10.11】坂出市立病院視察報告
公営企業法全部適用
事業管理者兼病院長(1人)、副院長2人、事務局長1人、薬局長1人、看護部長1人
194床(一般病床190床、感染症病床4床)
診療科、23科
外来患者満足度調査を定期的に実施
災害拠点、へき地医療拠点、小児救急医療拠点、臨床研修、エイズ医療拠点、特定疾患治療研究事業委託医療機関、小児慢性特定疾患治療研究事業委託医療機関、不妊専門相談センター、
健康診査及び健康相談の実施、人間ドック有
在宅医療、往診、在宅患者訪問看護・指導有
H28、10月職員数 2023年4月
医師 46.1人、(常勤41人、非常勤5.1人) 医師35人+常勤パート医師5人
薬剤師 10.4人 ( 10人、0.4人) 内科14人(+常勤パート3人)
看護師 177.3人 (166人、11.3人) 小児科1人(+2人)
診療放射線技師 7人 外科5人、呼吸器外科2人、
理学療法士 5人 整形外科4人、泌尿器科2人、
作業療法士 2.4人( 2人、0.4人) 耳鼻咽喉科2人、眼科1人、
婦人科1人、麻酔科2人、
一日平患者数、入院126.3人、平均在院日数11日 放射線科1人
外来 535人
在宅患者 7人
「市民が安心して暮らせ、心の支えとなる病院に」
基本理念
一、 坂出市立病院は坂出市の行政施策の一環として存在すべし
一、 坂出市立病院は市民の健康な生活を支える中心的な役割を果たすべし
一、 坂出市立病院は医療の使命に情熱を燃やす職員の集団であるべし
基本方針
1, 急性期医療を中心の任務とする。
2, 市民にとって、安全、安心、納得の出来る医療を提供する。
3, 地域における医療の標準となることを目指す。
4, 職員は、各専門分野の知識、技術を向上させ、チーム力を向上させる。
5, 次の世代を担う研修医、学生の育成に努める。
6, 公共性と効率性の両立を確保する。
を掲げ、具体的行動内容(別紙添付)、患者の権利と責務、倫理方針等HPで公表している。
<職員の意識改革>
経営改善を進めるにあたり、全職員対象アンケートを実施している。経営状態が悪いことを、医師が悪い、看護師が悪い、事務方が悪いと責任転嫁の回答であった。なぜ赤字になったのか、赤字になるとなぜ困るのか、問題の本質と具体策を見極め解決のプロセスの構築を行った。「経営の安定なくして、良い医療の提供はできない」を職員の共通言語にし、
経営改善は目的ではなく良い医療を提供するための手段として、目指す医療の在り方等を院内に張り出し、常に職員の視覚に入るようにして意識の醸成を進め、達成可能な努力目標の設定で実行している。「fine team work」職種等の壁を撤廃し、職員の相互理解を深め、全員参加のチームと部会を構築し研鑽をして、医療職のプロとして、あたりまえをあたりまえに行える医療人の育成をしている。
<改革のプロセス>
*職員の意識改革 *病院理念の設定 *セクショナリズムの撤廃 *達成可能な明確な努力目標の設定
病院に愛着があり、優秀な職員の育成、みんなでスクラム組んでやっていく。市と病院が一体となって、公営企業法全部適用で病院経営のフットワークが良く、人事権も持つ。
<医業収益改善の取り組み>
1980年〜1991年単年度赤字が続き廃院勧告を受ける。2000年から大改革に取り組み黒字化を果たし2007年には累積欠損金解消。2008年DPC導入、2012年7体看護、2014年新築移転、2016年旧病院解体(3.6億円)、2020年地方公営企業法全部適用、2022年コロナ補助金(約12億円の黒字)
外来患者数(日)
H24年427人、H27年503人、H30年557人、R4年497人(コロナの影響あり)
土曜日の外来、100人~200人の外来があり、純利益は4,000万円以上。
H26年 HCU ⒓、 ICU 4 確保。
手術室を6室に増設し香川大学からの医師派遣を得る。
(坂出市立) (名張市立)
救急 25% 救急 30%
外来 35% 外来 10%
医業収益 60億円 医業収益 40億円
<繰入金の推移>
2000年〜2004年は約1億円〜2億円。2005年〜2009年繰り入れなし。
2010年・2011年は1億円未満、2012年約2億円から増え2017年から4億円から5億円未満に増えている。(新築移転企業債の影響)
<企業債残高>
2014年新築移転約65億円、2023年約51億円、2028年40億円の見込み
<名張市立病院への指摘>
*救急応受率は高いが入院が少ない
*全身麻酔での手術が少ない(坂出市立963件H27実績)
*予定入院20%と低い(坂出市立50%)急患中心ではベットコントロールが難しい
*人件費を上げて、収益を上げるに転換すべし
*市外への患者流出をおさえる
*医療進歩への投資は不可欠
経営形態を変えるだけで市立病院は良くなるというものではない。問題があるその本質を掘り下げていくことが大事。経営改革でやるべきことは、市立病院の充実、信頼される病院づくり、働きやすい環境整備が重要である。
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