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【21.10.05】名張市立病院が市民の安心の砦となるように!

市立病院は市民の財産、議会と市長で民営化をすすめるな

議会から「市立病院の経営に関する提言」が提出されました。
提言の中に「指定管理者制度を含め、民間活力を積極的に導入するなど経営形態の抜本的見直しも進められたい」とあります。「新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、病院に入院できず治療も受けられず、自宅で亡くなる事態が起きている時、市立病院の役割が極めて重要であり、市民の命の砦として、住民の切実な要求でできた市立病院を民間に出す提言を議会がするものでない」と反対しましたが、7月26日の政策調査部会で多数決によって提言する事が決まり、8月17日の全員協議会でとりまとめられました。

傍聴していた市民から、市立病院の民営化を進める内容は、議会と市立病院事務方だけの協議、検討で決められあまりにも乱暴だと議長はじめ全議員に撤回を求める申し入れが届いていますが、8月30日議長から市長へ提言がされました。
提言を受け取った市長は「検討会を立ち上げる」と応えました。

これまでに市長は「私の任期中に病院の改革を達成させる」と発言されています。「改革とはどのような内容ですか」聞けば、「今は言えませんよ。きちっと出来てからでないと言える訳がないでしょう」と答弁しています。





住民にとって重大な事を、一部だけの聞き取りで、 反対意見があっても多数の力で決めた

提言内容を決めた政策調査部会では、市立病院(事務方)副院長、改革担当監から病院経営の現状と課題についての報告を受けました。その内容は、「リーダーシップの欠落、院内組織の未確立、経営の方向性に関する周知不足、職員の経営意識の低迷、関連機関との連携力不足、費用削減への取組み不足、院内におけるシステム未構築」であり(経営の悪化は、医師や医療従事者のせいだと言わんばかりで)「経営改善の期待として一番大きなものを持つことが出来るのが指定管理者制度だ」と説明しました。

*指定管理者制度のメリット、デメリット(7月6日政策調査部会資料)
自治体病院の指定管理者導入はわずか9.1%です。メリット、民間的な経営手法の導入。公設民営で公立病院の最終責任は自治体が担うので、救急等の政策医療の提供は確保できる。
一方、デメリット、職員は一旦退職となるため、多額の退職金が発生。職員の給与等は民間の範疇となる。経営難など指定管理者の都合により、不採算医療等の政策医療を安定的に供給できない可能性があり、その際には地方公共団体に負担を求められる場合がある。となっています。


公立病院は不採算部門も担っています。不採算医療とは、感染症医療・救急医療・小児医療・高度医療(がんの放射線治療)・災害拠点病院など、まさに住民の命を守り、医療を確保する大事な役割です。ですから、基準に基づいて国から交付税が入り、一般会計から病院にお金が入っています。指定管理を導入している病院では、その繰入額が基準よりも多く入っていることが分かります。21病院の平均は、基準額の148%です。
名張市立病院はどうか?R元年決算で、107%です。現在、名張市立病院が多大に一般会計から繰り入れがされているものではありません。

民間活力の導入をして経営形態の見直しを進める目的は、一般会計からの繰り出しを減らすということですが、実際の先行事例では増えています。

和泉市民病院の実例(和泉市立病院事業の改革について)和泉市が公開しているものです。H26年から指定管理者になりました。民営化してもしばらく厳しい状態が続いて、H30年に新しく病院を建設して新病院開院と共にようやく以前の救急受け入れが出来るようになっています。H25年指定管理者制度移行に伴い、退職金13億円が発生し収支が大きく悪化です。H26年多くの医療従事者が経営形態の変更により、退職し医師・看護師不足に陥り、市が人材確保資金を出して職員の確保をしています。
指定管理者にしても、自治体の負担が減るものではなく、赤字補填も在り得るということです。


何故、今、民間へ任せることが出されたか? 検証は不十分

政策調査部会で、市立病院事務局からの名張市立病院の問題点が出され、それを解消できるのは「指定管理者制度だ」と報告があり、十分な検証も医師、看護師への聞き取りや地域の開業医、市民への意見徴収は行われていないまま、市長への提言となり、市長はその通りに進めると応えています。これは出来レースか?と市民の声があります。


自公政権により、逆行する医療政策が進められている

コロナ禍の5月、病床削減法が強行採決されました。
公立病院の病床削減、統廃合をする自治体に消費税の増税分が充てられ交付されます。

新型コロナウイルス感染症、発生当初から名張市立病院はいち早く対応しています。昨年11月の厚生労働省調べ全国新型コロナ患者を受け入れ実績では、公立病院58%、公的病院75%、民間17%でした。市内唯一の公的病院、名張市立病院の重要性は明らかです。この間、コロナ禍以前から医療、社会保障予算削減政策が進められ、不採算部門を担う自治体病院の経営は厳しさを増し、ギリギリの体制での運勢を強いられていました。そこにコロナパンデミックが襲い、日本は医療崩壊の危機となっています。このような事態の中であるのに、政府はさらに「病床削減推進法」を強行し、地方自治体に病院の統合や病床削減を推し進めています。


いのちと暮らしを守る、政権に変えなければ!

名張市にはかつて救急を受け入れられる病院が無く、急病や事故、怪我の時、大きな不安があり、救急機能を持つ病院建設は住民の切実な要求でした。また、救急機能だけでなく、日常的に住民の健康と医療を守るためには総合医療が必要で、住民の意見が反映される市立病院でなければならないとの声が大きく広がり、1979年市総合計画住民アンケートで総合病院の建設要望が第1位となり、18年間かけて1997年に名張市立病院が開院されました。

自治体病院倫理綱領では、「自治体病院は、都市部からへき地に至るさまざまな地域において、行政機関、医療機関、介護施設等と連携し、地域に必要な医療を公平・公正に提供し、住民の生命と健康を守り、地域の健全な発展に貢献することを使命とする。」と謳っており、名張市立病院は、市内唯一の2次救急指定病院だけでなく、小児救急医療センター、地域医療教育研修センターを院内に持ち、災害拠点病院にも指定され、住民の命の砦として存在しています。

市立病院を守るためにも、地方の医療切り捨ての政権を変えなければなりません。
10月31日投票の総選挙は、そのチャンスです。
日本共産党は「なにより、いのち。ぶれずに、つらぬきます!」

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