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【20.12.22】名張市固定資産税の増税を延長

市民への説明なしで、12月議会で可決!

議案第85号名張市市税条例の一部を改正する条例の制定について 
                         反対の立場で討論します。
名張市固定資産税の超過課税、課税率1.7%を、3年間延長する条例制定が提案されています。
2016年(H28年)固定資産税超過課税の導入の際、8億円の財源不足を補い、財政健全化を図り、都市振興をはかるとして「都市振興税」と銘打ち、期間を5年間としました。
住民は8億円を何に使うのか?本当に5年間で終わるのか?という疑問の声がありました。
市は、元気創造、若者定住、生涯現役、重点プロジェクトをすすめていく、とうめん5年間と説明しました。そして、5年間で市民から徴収した約42億5千万円は、一般施策の財源として使い果たされました。
「恒常的財源不足が見込まれる中、引き続き持続可能な行政サービスを維持のため固定資産税の超過課税を延長する」12月3日12月議会開会日、市長の提案の言葉が証明するように、名張市一般施策の財源不足を補うための財源ということです。重点プロジェクトとしていますが、これは少子高齢のどこの自治体もが行っている施策です。

また、5年前の導入時から、5年で財政の健全化を果たせる見込み(道筋)は持っていなかったことも本会議の総務部長の答弁で明らかになりました。「R2年度でプラスになっていくと示すのが本来だが、それがたっていなかった。」「5年間で財政健全化が成し遂げられると取れる説明内容だったらそれは適切ではなかったことを謝罪する。」とのことです。
増税延長前に、市民に説明と謝罪をするべきではないですか。

2015年(H27年)11月〜12月に行われた15地域での超過課税可決後の議会報告会、記録を読み返すと、「固定資産税が21%に超過課税されるが、市民への説明が十分ではない」「なぜ増税しなければならない状態になったのか」「超過課税に関する市の説明は、説明不足というより誤魔化しの説明である」導入前の3回の説明会では不足だったことが、住民の声からわかります。「議会は何をしているのか」と議会に対しても厳しい指摘を受けました。

市長は議会制民主主義を主張し、議員も市民、市民から選ばれた議員で議決をすればいいと開会日の議案説明に対する質疑の中で答弁されました。しかし、議会制民主主義とは、市民の声を十分把握し、それを持って議論を尽くし議決に及ぶものであり、その前段として、市民への情報提示がなければなりません。「市民から異議の声が少ない」という意見もありますが、それはまだ増税延長を知らない市民が多数だからではないですか。

財政民主主義、市民が納めた税で行政サービスが行われるもので、税金は市民の財産であり、使い道は市民が決めるものです。国税についても同じ。
「統治される国民が統治する政府の財布を統制する」財政民主主義、
憲法第7条(第83条〜91条)、地方財政法、地方自治法で定められています。
財政民主主義、@租税法律主義 A予算・決算制度 B住民参加システム、3つの基本があります。
租税法律主義、課税は私有財産を侵害するので財産権と矛盾するので、両者を調整するため、法律(条例)で決めないと税金を徴収できない。市長はこの部分を短期間の提案・採決で突破しようとしています。住民負担を市独自で増やすのだから、当然、住民説明、納得のいく情報提供、そして合意。この財政民主主義の根幹が欠けています。
説明すれば、市民が知れば都合が悪いことがあるのでしょうか?

市長は財政の健全化は、「土地区画整理事業の清算、土地開発公社の解散等、80億円をこの次の為政者の負担にならないように処理してきた。それがもう終わる。」との答弁もありました。過去の施策の借金80億円をも市民の負担で払い続けています。そして、市民の財産である土地開発公社の土地をどう処理したかも明確に市民に説明すべきです。

人口減少に対応したまちづくりは、災害に強い、安心・安全なまちづくりは、基礎的サービスの基盤、土地・施設利用の見直し、インフラ整備のあり方、国・県に求めるものもあるでしょう。それらの財源確保は、名張市に未来にむけて、都市と農村の共存、地域内経済の循環、地域に根差したエネルギー政策等、名張市の資源を生かした産業で仕事、雇用をつくり、地に足をつけた、暮らしを守る政策づくりが求められます。
地域コミュニティを大事に、住民参加の話し合いを重ねて合意形成を進めていくことが最も重要です。市長独断の政治判断ではなく、住民からのボトムアップ型政策を策定し進めていくことです。その基本に行政が「誰ひとり取り残さない、基本的人権」を根幹に据え、市政の透明化を図り、市財政の情報も分かりやすく提示し、住民と共に歩むことです。公務労働者の役割は極めて重要であり、そんな仕事を私たちはしないといけません。
「あれかこれか」事業の選択が必要と言いながら、実際はモデル事業等、国が進める施策にのり「あれもこれも」手をだしすぎた結果ではないですか。そして、財源不足に対して、お金を生み出す施策を考えず、市民増税、市民負担で賄う市政では、名張躍進とは逆行となります。
名張の未来を住民と共に作っていく、このことを求め、固定資産税の超過課税延長に反対の討論とします。

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