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【20.07.18】市立病院の経営合理化ため、ゆりの里を廃止

名張市の公的介護を、どう考えるのか?

今年の1月8日にゆりの里の職員、そして入所者に今年の6月で廃止が告げられ、議会は1月23日の全員協議会で初めて廃止の報告を受けました。
働いている介護士たちは寝耳に水で、「ゆりの里で頑張って働こうと思っていた。介護士として働き続けたい。」と訴えたが、「もう決まっている」と言われたそうです。そして、廃止条例が上程されてもいないのに、施設の無償貸し付け先が決まり、どんどんと廃止にむけ進んでいく中で入所者もそれぞれに次の行き先を探すことになりました。

なぜ、突然に廃止することになったのか?
これまで名張市が策定し、市民や民間有識者を交えた、病院改革検討委員会や介護保険審議会で議論もないままに、今年になって突然の廃止表明でした。

H28年2月に市議会政策調査部会の財政改革に対する意見では、中長期的課題として「市立病院、介護老人保健施設、看護専門学校の各経営形態について、地方公営企業法の全部適用、地方独立行政法人化、指定管理者制度、民間譲渡などの導入を検討されたい。」としています。これは、H28年策定の病院改革プラン(H32年まで)に反映されています。市立病院改革プランでは、市立病院、介護老人保健施設「ゆりの里」、看護学校と一体で経営効率を上げること。そして経営形態の見直しも検討するとなっています。議会の意見も改革プランにも、名張市立老人保健施設の廃止は全くありません。

H30年3月議会、市長選挙の前の議会で柳生議員が、「現市長の対抗候補者の一人が、ゆりの里の民営化を公約に掲げているが、その必要性があるか?」質問しています。病院の回答は「ゆりの里は、公的役割を果たしていることから、民営化はしない」と答えています。つまり、選挙時の現市長(亀井市長)の方針でした。

地域医療ケア病棟ができたことと、民間施設ができたことが理由になっていますが、名張市のこれまでと、現状、そして将来を考え策定された、名張市介護保険事業計画(第6次改訂2020まで)、介護施設の整備計画では、介護老人保健施設は228床となっています。民間圧迫ではなく共存です。

民間があるから公立はいらない、という意見がありますが、ゆりの里の48床かなくなると、30年度実績利用数、170人ギリギリという数値が出ています。現状どこも介護士不足で、民間施設で床数があっても、働く介護士や看護師が確保できなければ受け入れができません。そのような検証や対策がないままにゆりの里の(老健)の48床を廃止するのは、あまりにも乱暴ではないですか。
先般の保育所民営化の時も、当初は市内保育所全園民営化の計画でしたが、公立でなければ受け入れられない場合があると公立保育所が残されたように、高齢者福祉において公的役割というものが必要です。

6千万円の赤字だから廃止という考え方だったら、市立病院も赤字、廃止となるではないですか。
今般のコロナ禍では、保健所の統廃合により体制の弱さと人員不足が顕著になりました。そして、医療機関も崩壊寸前が各地で起きました。この地域においても、民間病院はコロナ患者を受け入れられないと、答弁がありました。だからこそ、公的施設が大事であることを再認識し、地域医療構想も再考すべきだの声が全国で上がっています。

そして、介護現場でも様々な基礎疾患を持つ高齢者が利用していること、食事介助など身体的な接触を伴い、コミュニケーションが不可欠な対人援助サービスです。高齢者の陽性患者も入院療養が基本とされていますが、病院のベッドの確保状況や本人の事情により施設内での支援が必要となるケースもあります。新型コロナウイルス感染症に備える観点からも、この時期に公的介護施設は廃止すべきではありません。


高齢化がまだまだ進む中で、高齢者の尊厳を守る公的介護施設は重要です。
名張市において、誰ひとり取り残さない、行き場のない高齢者は生じさせない。

この事を求めて名張市老人介護施設ゆりの里の廃止条例に反対しました。

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