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【19.10.04】9月議会報告

幼児教育・保育の無償化

幼稚園、保育施設の利用料無償化は、高すぎる教育費用の負担軽減となり、子育て家庭にとって歓迎するものです。しかし、今回の無償化は保育料負担が重い0歳から2歳は対象外これまで保育料に含まれていた給食費が切り離され、それぞれの施設で実費徴収、国の保育指導基準を満たしていない認可外保育施設でも良しとする内容です。提案された、幼児教育・保育の無償化は、どの子にも健やかな育ちを保証するものとなっていません。

そもそもこの政策は、「経済財政運営と改革の基本方針2018」で社会に役立つ人材投資として「幼児教育の無償化」を位置づけられています。並行して2018年4月から、保育所保育指針が改定され、「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」として「小学校入学時の具体的な姿」が示され、子どもたちの個別評価も行われることになっています。
乳幼児期は人生にとって重要な時期であり、この時期だからこそ保証されるべき生活や経験をし、人としての発達する基本が備わるのではないでしょうか。社会のための人材ではなく、まずは、一人ひとりの固有の生きる力をはぐくむことが何よりも大切だと思います。
そして、無償化のもう一つの目的は、労働力の確保です。女性活躍推進法や働き方改革関連法が整備され、子育て世代の労働力を引き出すものです。

大事なことは、保育を必要とする子どもが、どの子も安心して保育を受けられるように、このことを軸に政策展開を求めます。まずは、待機児童を解消すること。子ども達が日中過ごす環境はのびのびと遊び、安全に過ごせる施設で、保育士の処遇改善をして、有資格者による質の保たれた保育が必要です。そして、給食費は保育所保育指針でも、給食は食育計画に含められており、まさに保育の一環です。保育料から切り離しての実費徴収はしないでください。全国の自治体で国の政策の不備を独自にカバーするため、これまでの保育料負担軽減の財源で給食費無料が広がっています。三重県でも志摩市、南伊勢町が無償にする予定です。

今回の幼児教育・保育の無償化は、子育ては親の責任という位置づけでの、保護者の負担軽減策であり、その財源は、消費税10%の増税となっています。消費税は低所得者ほど家計の負担が大きい逆進性の税です。保育料が無料になっても日々の生活に負担がかかります。また、0歳児からの無償化拡大をすすめようとすれば、また消費税増税しなければとなるでしょう。税は応能負担が原則、日本共産党は消費税にたよらない別の道を提案しています。


核家族化が進み、人によっては地域との繋がりも進まず、孤立した状態での子育ては大変で、親による虐待や育児放棄が増え続けています。そんな中で幼稚園、保育所が子どもと親のセーフティネット、社会との繋がりの窓口になります。
幼児教育・保育無償化は、どの子どもの健全な育ちを守る、子育て中の保護者も生きやすい社会を実現するものとなるよう求めます。



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