<< 活動日誌の目次に戻る印刷用画面 >>

【17.06.08】「共謀罪」法案は廃案に!

私たちのプライバシーに土足で入り込み、国民の思想を縛ろうとする共謀罪は絶対に認められません。

目的は何か?
国際組織犯罪防止条約の実施とオリンピックにむけてのテロ対策と言うが、
これは、マフィア対策、経済的な組織犯罪対策が目的で、テロ対策ではない。
日本はテロ対策に特化した国際条約を13本も結んでいる。

対象となる団体の定義は?
テロリズム集団、組織的犯罪集団
単独自爆テロも対象でない
(犯罪の実行を共同の目的として結成されている団体)

何が罪なるのか?
犯罪を計画すると罪になります
277の犯罪について、複数で計画し合意をしたら、そこに参加した人が罪に問われます。これまでは、実際に犯罪を実行した場合逮捕でしたが、複数人で考えた時点で逮捕となります。(これまでも、爆発物の製造や殺人の計画など凶悪犯罪は相談、準備で逮捕されるが、範囲が格段に広がる)
対象の277罪の犯罪はどんなものがあるか?(当初は676罪あったが、多すぎるとの意見で再検討され277罪になった)
1、テロの実行に関する犯罪 110
2、薬物にかんする犯罪   29
3、人身に関する搾取犯罪  28
4、その他資金源犯罪    101
5、司法妨害に関する犯罪  9

罰則は?
対象犯罪のうち10年を超える懲役か禁錮の刑が定められているものは、
5年以下の懲役か禁錮。その他は2年以下の懲役か禁錮。








国会の質疑から・・・

自民党政務調査会が作成した資料では「テロ組織が水道水に毒物を混入することを計画し、実際に毒物を準備した場合でも、この時点で処罰することはできません」としているが、客観的に相当の危険性が認められれば、殺人予備罪になりうるもので、現行法で対処できるのに「できない」というのは何故か?と質問すると、法務省の刑事局長は「客観的に相当な危険が認められず、予備行為に該当しないからだ」と答えました。現行法は客観的証拠を基に、起訴していくのです。
共謀罪は「客観的危険がない段階でも逮捕される」「起こった危険や被害をもとに処罰するのではなく、内心を処罰するもの」がはっきりしました。
「警察が危険と指定した団体が、危険なことを考えているから処罰する」
これが共謀罪の基本的考え方ということが、わかりました。

危険な団体とは、どのような団体か?組織的犯罪集団がどんな集団なのか?
誰が危険な団体の1員なのか?どうやって調査するのでしょうか?
犯罪者やましてテロを実行しようとする人は、決して表面には出さないでしょう。一般人と組織犯罪者とどうやって区別しますか?
国民一人ひとりを常に監視し、何を考えているのか?どんな思想か?どんな交友関係か?尾行や身辺調査をするでしょう。国会の質疑の中で金田法務大臣は、電話やメールなどの盗聴ができる、通信傍受法を使う可能性を認めました。

また、市民団体がどんな行動をしているのかも調べるでしょう。
「辺野古の米軍基地反対運動も共謀罪にあたるか?」の問いに「自然環境保護や住民の権利を守ろうとする運動はあたらない」としながらも「その目的が変わりうることもあると」金田法務大臣は答弁しています。「正当な目的で結成しても、あるときから犯罪をくりかえすようになれば、組織的犯罪集団と認定される」
5月29日辺野古米軍キャンプシュワブ前で、新基地建設に反対する人々の非暴力での座り込みに対して、警察が現場責任者に中止を指示するよう要求し、それを拒否すると「扇動者」として拘束されています。この時の現場責任者は「座り込みは個人の意思だ。私が指示しているはない」と訴えても、聞く耳を持たない。「捜査機関が扇動者だと言えば、そうみなされる。警察が扇動者が皆を共謀させ、工事車両の妨害をさせようとしている構図が、いとも簡単にできてしまう」これまでもデモや座り込み、マンション建設反対運動やストライキが「威力業務妨害罪」されてきた事例があります。これらが犯罪を繰り返したとして「組織的犯罪集団」と認定される可能性が多いにあります。

対象となる犯罪が277罪もあり、所得税法・労働基準法・消費者法等、私たちの日常生活に関わるものが多く含まれています。
逮捕に必要な「準備行為」は、誰もがしている日常の行為で「資金の手配」ならATMでお金をおろす。「物品の手配」ならコンビニで買い物。「関係場所の下見」なら毎日の散歩。森林法に関わることでは「保安林の木やキノコ、タケノコを採って売ればテロ組織の資金源になるから共謀罪の対象」テロの下見かどうか判断するのは何を基準にするのかと聞けば「弁当とビールを持っていれば花見。地図と双眼鏡なら犯罪の下見」と金田法務大臣の国会での答弁です。こんなふざけた答弁で、私たちの内心の自由を奪われる法案を決められていいわけがない。
私たちには、心の中で何を思うかについて、他人や国家から干渉されない権利があります。戦前・戦中は特定の思想を理由に多くの人が逮捕されました。だからこそ、憲法に「思想及び良心の自由はこれを侵してはならない(19条)」と定めたのです。

国連プライバシー権に関する報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が安倍首相宛に、共謀罪法案が「プライバシー権や表現の自由を制約する」との懸念を示した書簡に政府は抗議し「個人的な意見で国連からの総意を反映するものではない」と閣議決定し、G7首脳会議の際に懇談した国連事務総長も「同じ見解を示した」と主張しましたが、グレデス国連事務総長の発言の主旨は違うということが明らかになっています。
国連プライバシー権に関する特別報告者からの指摘はきかず、事務総長の発言さえも都合よく解釈する、こんな政府を誰が信用しますか。国際社会からも非難されるでしょう。

自民党政権はこれまでにこの共謀罪法案を3回国会に提案していますが、全て廃案となっています。「いい加減にしなさいよ」と、きっぱり共謀罪法案をなきものにしましょう。私たちの自由と平和を守り、戦争のない日本を子ども達に手渡すために、力をあわせていきましょう。




<< 活動日誌の目次に戻る印刷用画面 >>

 ご意見、ご感想をお寄せください。

▲このページの先頭に戻る