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【14.11.02】保育水準の低下は許さない

複雑すぎる、子ども・子育て支援制度

来年4月から実施予定の「子ども・子育て支援制度」は、これまでの保育所、幼稚園の制度を根底から変えてしまうものです。大きく変わる事として、これまでは、保育に欠ける子どもに現物給付で保育を措置するのが基本でしたが、保育の必要性を市が認定して、その必要量に応じた現金給付となります。
新制度は介護保険制度をモデルにしており、保育の市場化をすすめています。

子育て支援法を基準に、各自治体で条例を制定することが義務づけられました。名張市は現在国基準に上乗せした保育指針にそって保育が行われています。この実情にそった条例をつくることを6月議会で求めました。しかし提案された条例文は国が示した最低基準をそのまま引用しています。これでは、名張市の保育の質の低下は明らかです。

議案第52号では、保育施設の運営に関する基準を定める条例が提案されました。
まず、制度自体が複雑であるがゆえ、条例は市民にとって大変解りわかりづらいものとなっています。そして、法第何条と引用され、国が法改正をすれば、名張市の条例文を書き換えることなく、そのまま法に従い名張市の条例の内容が変わることになってしまいます。これではこの間培ってきた、名張市の子どもの命と健康な育ちを守る安心の保育の質が担保できません。
次に、保育所、幼稚園、認定こども園などの施設型に加え、小規模、家庭的、事業所内、居宅訪問などの地域型保育事業が導入されています。どの施設も、市が保育料の算定や徴収をしますが、認定こども園や小規模保育施設は事業者と保護者の直接契約です。
直接契約の施設では、「正当な理由がなければこれを拒んではならない」と応諾義務が条例にありますが、面積不足や保育士不足を根拠に受け入れを拒む正当な理由となります。市は入所あっせんにとどまり、施設を増やし定員を増やす義務はどこにもありません。
例え保育を受ける必要が高いと認められる子どもが優先に選考されても、それを受け入れる施設がなければ、入所はかなわず、待機児童の解消はできません。

議案第53号の家庭的保育、小規模保育事業などの設置及び運営の基準を定める条例では、小規模保育事業、A型、B型、C型と分類され、保育士の配置基準が違います。
A型は保育士、B型は2分の1が保育士、C型は保育士資格なしでも可となっています。
職員配置数でも、名張市は1歳児の保育を4対1で実施していますが、条例は国基準を基に1・2歳児6対1となっており、現状を下回る職員数となります。市内で入所する施設によって保育内容に格差が生じます。同じ認定基準、同じ保育料で受ける保育に違いがあることを許していいのでしょうか?
認可の基準が低くなり、歯止めをかけていた企業の参入や、ビルの一室での保育事業も可能となります。ニーズ調査でもこれまでの認可保育所への入所の希望が多く、子育て環境が厳しい中で、今こそ国家資格を持った保育士による子育て支援が保護者の安心となります。保育士配置基準を下げるのではなく、保育士を育成し、働き続けられる職場環境を整えることが求められます。

議案第57条では、入所判定と一体化していた「保育に欠ける」を入所判定とは独立して「保育が必要」との認定を行うと示されています。この事からも、保育が必要と入所が一体化しないということになります。
認定に合わせた現金給付がどのくらいになるのか、保育施設運営の基盤となる公定価格についても確定されていません。これまで、県や市で行っていた延長保育補助や休日保育補助の財源の根拠となるものは、一切条例には明記されていません。
幼児期の学校教育・保育の総合的な提供、地域における子ども・子育ての充実と言い、新制度で実施には1.1兆円の財源が必要とされています。しかし、国の財源も消費税頼みであり、2017年で7千億円を充てること見込まれていますが、残りの4千億円のめどはたっていません。これで、保育の充実が図れるとは到底考えられません。
名張市のこれまでの保育を守る実情にあった条例を制定し、財源確保についても検討することが、子どもたちを守り、保護者の皆さんの安心を築くことになると思います。
そして、この制度改正にあたって当事者である保護者、保育士が理解できる説明がされていません。子どもの権利保障を基本に、格差のない安心の保育と教育を求めます。


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