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【13.07.02】6月議会報告

6月26日議会最終日、日本共産党議員団は「一般会計補正予算」は賛成。
最終本会議で、追加議案で提案された「市長及び副市長の給与の減額」「教育委員会教育長の給与の減額」に賛成しましたが、「職員の給与の減額」「小学校の統廃合」は質疑と討論をし反対をしました。(討論は以下のとおりです)

職員の給与に関する条例の制定について

 2013年度地方財政計画では、削減される地方公務員の給与額を、緊急課題への対応として実施される事業費総額に合わせて措置されていますが、実際には財源と事業費を表面上で一致させているだけにすぎず、緊急課題の対応はいずれも起債事業です。そして、地域の元気づくり事業費は、人件費削減努力により加算とされています。
 2013年1月24日閣議決定された「公務員の給与改定に関する取扱い」では「地域課題に迅速かつ的確に対応するため、平成25年度における地方公務員給与については、国家公務員の給与改定及び臨時特例に関する法律に基づく国家公務員の給与削減支給措置を踏まえ、各地方公共団体において速やかに国に準じて必要な措置を講ずるよう要請する」とし、これをうけて、1月28日総務大臣名で「地方公務員の給与改定に関する取扱い等について」が出され、同時に総務大臣の書簡では「このような地方公務員の給与削減の措置が2013年に限って」であること。そしてこれが消費税増税について国民の理解を得るために必要である」と述べられています。
 このような国の主張に対して地方団体は一斉に反発の声を上げています。全国知事会では「これまでにも、地方は10年間で国の6倍にも及ぶ職員削減を実施してきた。地方公務員の給与削減が景気を冷え込ませ税収が下がり、地域活性化策や防災、減災事業の財源の確保を困難にする。」全国市長会でも「これまで地方が国を上回る人員、総人件費の削減を進めてきた一方で、このような公務員の給与額の決定への国の干渉は地方分権の根幹に関わる問題だ」と抗議しています。さらに地方6団体としても「給与は地方公務員法により、個々の自治体の条例に基づき自主的に決定されるものである。今後ラスパイレス指数の在り方を含めた給与等の検討を行うべき」だとしています。
 今回の地方公務員の給与削減は、地方交付税の在り方をもゆがめるものです。地方財政計画に基づく各経費の算定は国の標準的見積もりに基づくものであって、それによって配分された地方一般財源をどのように使うかは各自治体の判断にゆだねられています。自治体独自の裁量権妨害するものです。
 国の主張はきわめて不条理だということは明確です。政権をとった自民党が公約とした地方公務員の人件費削減、その実現のために交付税をつかって圧力をかけ、さらに消費税の増税への国民感情への配慮に公務員の給与削減を使い、地方自治への介入を行っていることは許されません。

 では、実際に名張市ではどうでしょうか?今回の国の措置を受けた交付税額が決定するのは7月です。試算では1億5千600万円の減額で、その全額を職員の給与削減をするという提案です。公務員の給与削減は地域経済に大きな影響を与えることは誰もが承知のことです。
 他の自治体ではそれぞれ工夫がされ、県内では1市4町が給与削減をせずと決め、四日市市や鈴鹿市は6月議会上程を見送ったとのことです。給与削減を決めた自治体でも、減額される全額を給与削減で賄ってはいません。
例えば、お隣りの伊賀市も2億9千万円交付税削減のうち1億9千万円を給与削減としています。三重県でも80億円の交付税削減に対し、元気交付金の活用で30億円を賄い、50億円分を給与削減するとのことです。

 長引く不況の中、労働者の賃金の引き上げが経済政策として重要なことは、政治的主張を超えて誰もが認識するものです。地方公務員の賃金は民間労働者に影響を与えることから、民間賃金をさらに抑制し、それがまた公務員の賃金を引き下げることに繋がります。
また、地方公務員は住民の窓口にあり、災害時の対応、困った時の相談、弱者の救済、住民の暮らしと生活を守る仕事です。その責任がしっかりと果たせる労働環境を整え、人材の確保とスキルアップが必要ではないでしょうか?職員が誇りを持って働き、市民が納得する仕事を実行していただきたい。そのためにも財政非常事態宣言以降、他市より一層きびしい人員削減と給与削減の中、頑張ってきた10年間に配慮があってもいいのではないですか?(160人減らし、給与減額を含め16億円の削減)

 職員組合からの「地方公務員給与に係る地方交付税削減についての請願」も採択されました。名張市として住民を守る立場で国の不当な措置をそのまま受け入れるのではなく、しっかりと地域主権を主張する政策を求めて反対の討論とします。

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小学校の設置に関する条例について

 地域の小学校は教育や文化、そして子どもを中心に地域コミュニティの拠点でもあります。子ども達の元気に学ぶ姿を見たり、声が聞こえることで活気を感じます。その学校の児童数が減ってきたということで統廃合するという教育委員会の提案に、地域と保護者の皆さんは、計り知れない葛藤の末、苦渋の決定をされたのだと思います。
 小・中学校の規模適正化の方針が示され、地域では学校と保護者で協議をし、錦生小学校、滝之原小学校は合意形成が整い、統合にむけての協議が進んでいることがわかりますが、国津小学校については、まだ合意形成ができたとは言えないのではないでしょうか?国津小学校の保護者から「特認校を残して欲しい」「私たちの声を聞いてもらえない」「統合についての意志表示をする場がなかった」との訴えが届いています。
 国津小学校については、市が本格実施をした特認校制度があり、その存続を求める声が根強くあります。議会でも特認校の存続を求める請願を採択しています。このことに関しては、今後も制度について検証するとのことですが、これまで特認校設置にあたり力を尽くしてくれた地域や現在通う子ども達、保護者の当事者ぬきの検証で、本当に求められる制度ができるのでしょうか?
 100%の合意を求めているのではありません。賛成、反対、そして迷い、様々な思いがあります。地域、学校、子ども達を大事に思う、強い思いがあるからこそ様々な意見があります。その声を、しっかり受け止め議論を深めなければいけないんだと思います。先日の全員協議会でも、教育民生委員会で国津小学校の保護者や地域の真意を確認するため懇談することの提案をうけ、調査をすることになっています。
 また、国津・錦生・滝之原それぞれの子ども達が安心して学校に通え、統合後の地域の活性化も検討して、統合の準備を整えることを求めます。
 今回の議案提案は、最終本会議の提案で詳細はまだこれからだが、統廃合だけは決定させるというもので、認めることはできません。
 市内、一律に標準化するだけでなく、地域としっかりと結びついた、子どもひとりひとりを大切にする、名張の教育を求めて討論とします。


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