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【12.08.31】やっぱり危険、浜岡原発

いざとなったら使えない、浜岡原子力防災センター

7月21日〜23日「自治体学校IN浜松」に行ってきました。2日目の分科会で「浜岡原発を訪ね、地元住民との交流」に参加しました。

はじめに静岡県浜岡原子力防災センターの見学に行きました。
静岡県浜岡原子力防災センター(通称オフサイトセンター)は、原子力緊急事態において、国、県、関係町、事業者及び防災関係機関が一堂に会し、情報の共有や連載した対応を行うため、合同対策協議会が開催され等、現地の対応の拠点となる施設です。建物は県の所有で3階建、合同対策会議が開かれる会議エリア、機能班エリア(広報、医療、救護、放射能情報、事故状況把握)、災害対策現地本部室、通信機器(首相官邸や県庁と結ばれるTV会議システム等)が整備されていました。

「福島原子力発電所事故の検証は、まだ終わっていない」という言葉がありました。毎年「国がシナリオ訓練を実施するがあまり役に立たない」「シナリオレス訓練は、年に2・3回する」「シビアアクシデント訓練は、電力会社に任せている」このセンターは浜岡原発から2.3kmの位置にあり危険区域になるので、「実際に事故が起きた時は使えない」今後、30m以降離れた場所への移転が予定されており、現在で何か起きた時は、20km離れた所にある空港を使うとのことでした。

現地見学と地元住民との懇談

2011年5月、浜岡原発は国からの要請を受け、(1号機、2号機は耐用年数が過ぎ2009年に運転終了)、3・4・5号機は運転を停止しています。しかし、経済産業大臣宛の浜岡原子力発電所の停止に係る確認書事項には「津波に対する防護策及び海水ポンプの予備品の確保と非常発電機等の設置を完了し、原子力安全・保安院の評価・確認を得た時は浜岡原子力発電所の全号機の運転が再開できることを確認したい」として、中部電力は津波対策工事を進めています。

福島第1原子力発電所に襲来した津波の高さを考慮し、海抜18mの防波壁を新たに設置。
1号機から5号機の敷地に沿って建設され、総延長は1.6km。地底にも10~30mの深さで地中壁を作り、岩盤部に根入れをしています。しかし、M8級の東海地震の想定震源断層面の真上に静岡県御前崎に浜岡原子力発電所はあり、津波の高さは21mと予想され、いくら耐震強化をしても岩盤事態がずれるため、危険はまぬがれないということを知りました。
また、両端は盛土で約20mにかさ上げしていますが、この間の雨や波ですでに浸食がおきているとのことです。

6625本の核燃料は使用後もプールに貯蔵されています。冷却後(約2年)青森県六ケ所村や海外などに運ばれますが、原子炉格納庫の中ではなく建屋内での保管で、岩盤がずれることがあれば建屋並びに複雑に延びる冷却水の配管が壊れることが懸念されます。

「東海地震による、浜岡原発のリスク管理を考える」

<最終日、特別講演渡辺敦雄氏を聞いて>
渡辺氏は原発の技術者で、これまで原発を推進する立場でしたが、東日本大震災後エネルギー政策の在り方と、科学・技術を「全体から」「地域から」「未来から」考えるとして原子力利用について考えることを提起しました。
危機管理の鉄則  事故に学ぶ、事故を把握、真実を見抜く、真実から最悪の事態を想像して少しでも安心(不安の解放)、行動計画・対策を立てよ。

原子力施設と他のテクノロジーと事故の規模が異なり、電力会社単独で責任がとれません。
放射能(使用済み核燃料)の処理方法は未確立で、プルトニュウム239は10万年の管理が必要で、セシウム137は30年かけて半減。細胞分裂の盛んな子どもの体への影響が大きいものです。
浜岡原発では福島原発事故以上の事故の起きる確率が高いことが知られています。浜岡・大飯原発は断層の上にあることがわかりました。いくら耐震設計や津波対策をしても、岩盤揺れの設計ではなく危険であることを目の当たりにしました。

今回の現地見学でこれが「安全神話」に基づく原子力発電所の実態だなとつくづく思いました。しかし、東日本大震災の教訓を受け止め、全国で多くの人々が声を上げています。どこに住んでも、誰もが安心して暮らせる社会をつくるため、今こそ、原発ゼロ!再生可能な自然エネルギーへの転換で雇用つくり、地方自治体が活性化するよう力を合わせようではありませんか!


 <昭和42年のしずおか民法> 地元の方に見せてもらいました。
「中部電力が三重県芦浜につくろうとした原子力発電所は、地元の反対で中止になった。この原子力発電所を浜岡町につくろうとしている。」の記事がありました。三重県とこんな関係にあったことを初めてしりました。当時、静岡県でも「原子力発電の安全性は保障されていない」と日本共産党は建設反対に力を尽くしています。


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