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【12.07.27】伊賀・名張での震災がれきの受け入れは本当に必要なのか?

これまでの経緯

2012年、3月16日 内閣総理大臣及び環境大臣から三重県知事宛に要請
      21日 三重県知事から各市町長等宛に要請
      29日 震災がれき処理に関する知事・市長会長・町村会長協議
    4月6日 三重県知事から環境大臣へ回答
      20日 三重県・三重県市長会・三重県町村会による合意書、覚書の締結
    6月 三重県における東日本大震災の災害廃棄物処理に関するガイドライン策定

災害廃棄物(がれき)の広域処理への対応に係る合意書の4項目
1、 災害廃棄物の安全性が確認されること。
2、 住民の不安が払拭されること。
3、 議会の理解を得るなど広域処理への環境が整うこと。
4、 災害廃棄物処理後の処理体制が整備されること。

2012年6月11日 伊賀南部環境衛生議会全員協議会
 県環境生活部、伊賀市、名張市から「国の基準より厳しくした県のガイドラインだから大丈夫。放射能は自然界にも存在する。」など、がれきの安全性について説明があり、震災がれき受け入れへの理解が求められた。
放射能物質のしきい値はなく、これだから安心というものはありませんし、がれき受け入れの行程や、焼却灰(飛灰)の受入れ先も決まっていません。行政がみずから締結した合意4項目が守れていません。

7月1日 伊賀青山地域5地区代表者への説明会
 焼却施設周辺地域との協定で、他地域の廃棄物は受け入れないことになっており、協定の遵守とがれきの安全性への不安や、風評被害への懸念など地区代表者から受け入れ反対の意見が出された。

7月16日 震災がれき処理に関する住民説明会
 青山ホール 317人参加 (周辺地区住民124人、伊賀市121人、名張市72人)
環境省中部地区環境事務 廃棄物・リサイクル対策課、 課長 林 里香
*つなみ被害による岩手県・宮城県の災害廃棄物の受入れについて説明
「がれきの広域処理が必要」

名古屋大学大学院 工学研究科、准教授 森泉 純
*放射能・放射能影響に関する基礎知識
「広域処理をするがれき放射能は問題ない」
三重県環境生活部廃棄物対策局、RDF・広域処理推進監 小川 正彦
*三重県における東日本大震災の災害廃棄物処理に関するガイドラインの概要について
「国の基準より厳しいガイドラインで、線量は県が責任を持って測定する」

会場からは、
「子どもの命がかかっている。国・県の御用学者の説明で安全性は信用できない。」
清掃工場設置に関する協定書を締結した、元区長さんから「他地域のごみは持ち込まないとかわしたはず。地元で話し合った結果、がれきは受け入れないと決議した」など、不安と反対の意見、行政への不信の声で会場は騒然となりました。


7月20日 伊賀環境衛生組合議会で16日の説明会の報告

 災害廃棄物の処理要請に係る受け入れの可否判断の参考の一つとするため、三者合意(三重県・市長会・町村会)における住民の不安を払拭する取り組みとして、7月1日16日と住民説明会を開催した。この住民説明会への参加者からの意見は、放射能に対する健康不安や風評被害を懸念し反対する意見が相次ぎ、参加された方々の十分な理解には至っていない。今後、災害廃棄物の焼却処理後に排出される飛灰の処理先の目途がついた段階で、改めて周辺地区から個別に説明をする。

7月13日 鈴木知事、三重中央に焼却灰受け入れを正式に要請し、伊賀市与野の産業廃棄物処理会社、三重中央開発金子社長が、「住民の理解が前提だが、協力したい」と答えたことが新聞報道された。

 市長は2回の説明会で「がれきの受け入れについてではなく安全性の説明」「最終処分先が決まらないからまだ受け入れるというものではない」と繰り返していますが、受け入れを考えているからこそ、安全ということを説明していのではないでしょうか。また、最終処分先も鈴木知事が三重中央開発に正式要請し「住民の理解があれば」と返事がされています。現在、三重中央開発には全国から廃棄物の搬入があり、ここで災害廃棄物を受け入れることになると、全国からの搬入も起こりうるものです。
 広域処理のめどがついたとの環境省の通達があり、また、広域処理に多額の予算を使うより県内・域内での処理を地元でも進めています。がれきの受け入れは「国難・助け合い」という人情論ではすまされないものです。放射能拡散という危険性があり、とりわけ放射能の影響をうけやすい子ども達の健康が心配で、お母さん方が胸を痛めています。
 これまで、安全神話に基づき原発が推進され、福島原子力発電所の事故で、国民が放射能への不安と、苦難な生活を強いられています。事故の検証の済まないまま、多くの反対の声の中、大飯原発の再稼働もされました。伊賀・名張市のがれき受け入れにも、多くの不安と反対の声が地元内外から広がっています。市長はこの声を受け止めて、がれきの受け入れを推し進めるのではなく、被災者の受入れや、命の森プロジェクトへの支援など、誰もが納得できる支援をすることを求めます。


広域処理の状況

6月29日 細野環境大臣から広域処理の調整状況についての通達
 「岩手県の可燃物・木くずの広域処理について、既に実施中の自治体における広域処理の受入れ予定量により、広域処理必要量に達する見通しがえられつつあります。当面はこれら調整中の自治体における広域処理を確実なものとすることが重要であり、それ以外の自治体との調整は当面見合わせることといたします。」

<岩手県宮古市のがれき受け入れ自治体、最優先調整自治体>
秋田県・群馬県・東京都(環境省資料)

全国各地でこの通達を受けて、受け入れの検討が中止されている。県内では、松阪市や東員町の太平洋セメント検討中止を表明。


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