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【11.10.19】9月議会報告  一般質問

子どもを大切にする本当の子育て支援を

 東日本大震災から半年が過ぎました。被災者は家族をなくした悲しみと、家や仕事を無くして生活と先の見えない不安を抱えているのではないでしょうか。親を失い悲し東日本大震災から半年がすぎました。被災者の皆さんは家族をなくした悲しみみと困難を背負った子ども達は2千人とも推計されています。被災者の生活の再建と地域の復興を果すまで、私たちはともに力を合わせなければなりません。

 6月議会を終え、被災地に行ってきました。7月は名張市職員が支援に入っている塩竃市に行きました。震災直後から避難所での支援や、水道・道路の復旧支援にも従事していますが、私は罹災証明発行のための、家屋調査に同行しました。名張市の職員は、被災した家の外周と傾きを測量し、壁や基礎の崩れを確認するのですが、危険な場所もあり、毎日、気の抜けない作業をし、住民の不安やつらさを受け止めながら、丁寧に調査の結果を説明していました。短期で2週間、長期で1ヶ月の任務ですが「自分たちが元気でなければ、被災者の支援はできない」とひとりの脱落者もなく任務を遂行しています。
 8月は宮城県柴田町にある日本共産党ボランティアセンターに市議団でいきました。車に名張市の皆さんから寄せてもらった、お米や衣料などの支援物資を積んで行きました。ボランティアセンターには、全国から党内外の皆さんが支援に駆けつけています。私達は津波の影響で、今までなかったほどの草が茂った被災者宅の草引きと支援物資の仕分けをしました。
 また、7月に奈良で開催された、全国の自治体関係者が集う自治体学校に参加し、被災地の職員からの報告を聞きました。「震災直後は瓦礫がひろがり、走っているのは自衛隊のジープとトラック、装甲車と他府県のパトカーだけ。それから、全国の自治体から来た給水車が来て、保健師さんも駆けつけてくれて、心強くうれしかった。陸前高田市は市役所も流され、学校給食センターが対策本部となり、入口にざら紙で、市役所職員生存している人とはってあり、そこに何人もの名前が書いてあった。」庁舎が全壊したり、多くの住民が犠牲になり、行方不明になっている現実の中で、多くの自治体職員が、自らも被災し家族を失ったつらさをかみしめながらも、住民の命と暮らしを守る仕事に誇りと責任を持って、地域住民とともに頑張っている姿を知りました。当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんが、この奮闘に敬意をあらわし、自治体の役割の重要さをあらためて感じました。


東日本大震災に学ぶ、学校の防災計画と備えは万全か

<質問> 今回の震災で、日頃から災害に対する備えと非難訓練の確実な実施により、子ども達の命が助かった事例が報告されています。保育所・小学校・中学校・高校と市内での災害に対する備えと、非難訓練の実施を再度確認していただきたい。各学校の耐震化の実情とまだ耐震化がされていない学校の今後の計画はどうなっていますか?国の耐震化補助も引き続きあると聞いています。東海・南海・東南海地震が危惧される中、早急な取り組みをしてください。

 名張市の住宅団地は山を切り開いて開発がされています。土砂くずれや山津波が心配されます。学校造成の際の土地の状況はどうなっているか?住宅の中でも、もりど・きりどはないか?非難経路は安全か?住宅開発業者に情報の提供を求め、「想定外」というようなことのないように、最も安全な対策を再度見直していただくことを求めます。
 また、災害時に避難所となる学校の給食室が、炊き出しに大変、役にたったことが報告されています。名張市で災害時にどのような対応を考えているのか?そして、以前から長期的課題とされている中学校給食の実施を、災害の備えとしても早急に取り組んでください。

<教育委員会の回答>学校安全計画等を年度始めに立案し、安全指導・防災教育を進めています。今回の震災を受けて、「想定外」の地震・災害がおきたときの対応を含め、マニュアルの見直しや検討を重ねています。8月には「釜石の奇跡」と呼ばれ、在校中の児童生徒が全員助かったという、岩手県釜石市の視察に行き、現地の教育委員会から聞き取りをし、子どもの防災意識を高めることの大切さを学んできました。今後、各校でのマニュアルの見直しに生かし、「想定外」の地震・災害が起こった時の対応について、教職員はもとより児童生徒一人ひとりが、適切な判断と行動がとれる力を育成していきたいと考えています。
 災害時には、避難所となる学校の給食室や調理室が機能を発揮するよう、防災訓練等の機会をとらまえ連携を図っていきます。中学校給食は引き続き課題として検討していきます。

 小中学校の耐震化については、H19年度策定の「名張市学校施設耐震化推進計画」に基づき実施しています。
「震度6強以上の地震で倒壊または崩壊する危険性が高い」とされるIs値0.3未満の学校施設の耐震補強工事は終了し、次にIs値0.3以上0.7未満の「震度6強以上の地震で倒壊または崩壊する危険性がある」学校施設の補強工事に着手しています。

H20年度 名張小学校屋内運動場(体育館)
H21年度 箕輪小学校、桔梗が丘小学校、桔梗が丘中学校の屋内運動場
H22年度 名張小学校、名張中学校の校舎
H23年度 赤目中学校、つつじが丘小学校の屋内運動場
H24年度 比奈知小学校、錦生小学校の屋内運動場

<危機管理室の回答>施設建設の際に、県で建築確認がされており、基本的には安全であると考えていますが、避難経路を含め再度の確認をします。



市の保育義務がなくなる子育て新システムで保育所はどう変わるか

<質問>2009年の厚生労働省の調査で、日本の相対性貧困率は12.1%で、18歳未満の子どもの貧困率は14.2%、実に7人にひとりが貧困という状態です。OECD(経済協働開発機構)諸国で子どもの貧困率の平均は12.1%で、日本はこの平均より高い数値となっています。他国では、子どもの貧困率は年々下がっているのに、日本は1990年からずっと上がり続けています。現在、子どものいる世帯では、ほとんど両親ともに働いていて、税制や社会保障による所得再分配後に子どもの貧困率が上がっており、税や社会保険料の負担が重く「再分配」が機能していないことが明らかです。これらを国として改善することを求めると同時に、名張市の子どもの生活現状を知り、どの子も健やかに育つ子どもの権利を守らなければなりません。
 子育て世帯の生活状況と子どもの生活環境はどうでしょうか?虐待の通報や相談の現状の報告がありました。このような中で、子どもの育ちを守る保育所の役割が重要です。保育所や施設への措置入所の状況をお知らせください。
この間、名張市では保育所の民営化がすすめられました。民営化後の名張の保育の検証と子ども達の様子、そして、こらからどのような保育をめざすのかお聞かせください。

 民主党政権が子ども・子育て新システムを推し進めようとしています。これは、保育所だけでなく、幼稚園や学童保育にかかわることですが、今日は保育所に絞って質問します。この、新システムは介護保険と同じしくみで、市は保育の必要度を認定し、保護者は自分で保育所を探して保育園と申し込み、預けた時間分の料金を払う、利用者と施設の直接契約で応益負担となります。市の保育所設置責任はなくなり、企業や株式会社、NPOの参入を許す、保育の市場化です。新システムによってこれまでの名張市の保育所がどう変わるのかお答えください。


<子育て支援室の回答>児童虐待相談の状況は、年々増加しており、三重県ではH21年度514件、H22年度858件、伊賀児童相談所での当市にかかるものは、H21年度43件、H22年度56件となっています。名張市家庭相談室への虐待通報は、学校や保育所からが多く、市民からの通報も増加しています。
 H21年度とH22年度の保育階層別該当者比率を比較すると、所得税の高い階層は減少し、一番多い所得層が1ランク下がっている状況から、保護者の所得が減少しているものと認識します。経済状況の悪化等により、ネグレクトや発達の悩み、要家庭支援等様々な問題がおきており、保育所においても育児相談や家庭支援の必要性が高まっています。
 民営化後の保育の検証方法と実態については、民営化園に市の正規保育士を派遣し、引継ぎ会の定期的開催を実施しました。また、保護者へのアンケート調査を実施し、意見箱の設置、苦情相談担当者の配置を行いました。地域との連携を図る「保育所運営委員会」を設置し、遵守条件の検証、運営状況の評価や今後の運営に関わる意見交換等による検証を行っています。

「子ども・子育て新システム」の保育所については、総合施設「こども園」の創設として、学校教育と保育及び家庭における養育支援を一体的に提供し、多養な保育事業の量的拡大を図るとしています。
 施設への入所は、市町村の認定に基づき、市町村の関与のもと、保護者が自ら施設を選択し、保護者が施設と契約する「公的契約」になります。多様な保育サービスの提供として、早朝・夜間・休日保育や病児・病後児保育の充実や短時間利用者の保育を拡充し、0歳から2歳児を対象に保育ママや小規模保育を拡充することとしています。
 現時点では中間報告で、国の関与のあり方や国が定める基準と地方公共団体の裁量の関係、財源措置などこれから検討していく内容が多くあり、まだまだ不透明なものでありますが、「子ども・子育て包括交付金(仮称)」の使い道は市町村に任されていますので、子ども・子育てにかかる需要の見込みを調査し、策定を義務付けられている「市町村新システム事業計画(仮称)」に子育て施策の充実を盛り込み、組織の充実を図りながら積極的に取り組んでいきたいと考えています。 










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