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【10.02.27】一人ひとりを大切にする教育と子育て施策の実行を

3月議会 一般質問

*安心できる保育所にするために
日本は急速な経済発展をしました。わが国の経済力の一つとして、勤勉な高い労働力があり、それを保障したのが、終身雇用と年功序列制でした。しかし、日本の大企業は多国籍企業化を始め国際競争をするにあたり、この雇用や賃金体系が障害になり、これまでの労働体系をくずしました。そして、21世紀に入り、規制緩和で不安定雇用がひろがりました。この時、派遣労働を労働者のニーズとしましたが、実は企業の責任がなく、必要な時だけ必要な分をという使いやすい労働力を確保するためのものです。派遣労働者は人としてあつかわないため、総務部ではなく、物資部の管理とされ、世界的な不況で派遣切り、顧止めが続出し、労働者が冬の寒空に放り出されました。先進国と言われる日本での貧困率は、15,7パーセントに達し、この元凶である労働法政の規制緩和をただし、人間らしく働けるルールが今こそ必要になっています。
このような社会状況の中、現在の子育て世代は、経済的にも精神的にも厳しく、生活の困窮は子ども達に影響を与え、家庭の状況が深刻であるほど、子どもが育つ上での支援が大切で、保育所の果たす役割が一層重要になっています。

わが国では、戦争により多くの命が奪われ、両親を亡くし住む家も無くした子どもたちを守るために、憲法に基づいて子どもの生活と発達保障を理念とした、児童福祉法が作られました。児童福祉法第1条は「全て国民は、児童が心身ともに健やかに育つように努めなければならない。全ての児童は等しく生活を保障され愛護されなけばならない」とあります。第2条では「国・地方自治体は児童の保護者とともに健やかに養育する責任を負う」と謳われています。社会状況や戦争によって、最も被害をうけた子どもたちを、もう2度とそういう境遇にさせてはならないという、崇高な思いをこめてつくられています。
こうして公的責任において、保育所がつくられ、児童福祉法により、どこに生まれ生活しようと、子どもたちは等しく健やかに育つことが保障されなくてはならないはずです。

父親だけでなく母親も仕事をしなければ生活が成りたたず、保育ニーズが高まりました。しかし、国は公立保育所を増やさず、民営化の保育所だけに直接補助金を自治体に出すようになりました。待機児童ゼロ作戦は、保育をビジネスとし企業の利潤追求の場に明け渡すのが目的で、多様な保育ニーズにこたえるというのは、企業の使いやすい労働にも対応するように。これが、保育所の民営化と規制緩和で、経済財政諮問会議、規制改革会議がすすめてきたものです。
そして、社会保障審議会では市町村に課せられた保育実施義務を外そうとする動きがあります。

あわせて、国の三位一体の改革で、地方交付税が減らされ、市財政にも大きく影響し、財政削減が続けられています。そのなかで、3年間で保育所の全園民営化が打ち出されH22年度の4月から4園が民営化されようとしています。市財政の健全化もしなければなりませんが、なにより大切な、私たちの宝である子どもの育ちが後回しになっていませんか?
子どもの発達保障のため、子どもを中心に考え必要な予算は確保しなければなりません。
誰もが安心して生み育て働き続けられるように、すべての子どもがすこやかに育てられるようにすることが、名張市の未来をつくることにつながるのではないでしょうか?
そこで、保育所の民営化についてお尋ねします。
保育所の全園民営化は、早期健全化計画の中で、H24年度に累積赤字が23.86億円に達し、早期健全化団体におちいるためとされています。日本共産党市議団はこの早期健全化計画を調査・分析をし、名張市が早期健全化団体にならないための緊急提案をしました。保育所の全園民営化をしなくても回避できることを明らかにしました。これ以上、財政削減のために保育所を民営化する必要ないのではありませんか?子ども政策室では、土地移管ができないため全園民営化はできないと9月議会で答弁しています。また。保育士さんの雇用についても全園民営化はできません。全園民営化で、保護者や「今までどおり子どもを預けられるのか」保育士さんは「仕事が続けられるのか」と不安が大きくひろがっています。
いつまでもできないことをいい続けるのではなく、安心できる子育てを行政として保障するため、公立保育所を残すことをどのようにするのか、具体的にお答えくだい。


小・中学校の校区再編は一方的に進めることなく納得のいく協議を

昨年、小・中学校の規模・配置適正化基本方針が出され、パブリックコメントに537件の市民の声が寄せられました。主な内容は「学校と地域との関わりの重要性、廃校による地域の衰退を危惧する意見」(106件)『市民・地域・保護者への説明、話し合いが必要であるとする意見』(87件)「学校の存続、現状維持を望む意見」〈76件〉が多く寄せられています。そして、地域説明会が行われ、保護者や地域の皆さんから様々な意見が出ています。これらを今後どのように反映するのかおたずねします。
そして、特認校についても規模適正化の範囲にふくまれるとしていますが、特認校の生徒は、入学の時に「小規模特認校指定変更許可書」を教育委員会と保護者でとりかわしています。そのなかで許可条件として、1「許可する小規模特認校の教育活動に賛同すること」2「保護者の責任のもと安全な交通手段により児童を通学させること」3「原則として卒業するまでの間、通学させること。」とあります。子どもと保護者は、特認校について話し合い、卒業するまでこの学校に行くよと、一定の決心を持って特認校に通っています。その学校がなくなるのか?親も子もどうなるんだろうと、大きな不安と市に対しての不信がおきています。
納得いかないまま、違う学校に行かねばならないことを、子ども達になんて説明するのか?
子どもにとって「なんで?」とただ、疑問がおこるのではないでしょうか?保護者も、親どうし・学校・地域とで、子ども達が元気な心とからだをもって、勉強をしてくれることを願って力を合わせて、許可書にある通り、特認校の活動に賛同し一丸となって積極的にとりくんでいます。これを行政で一方的に廃止することは、あってはならないことではないでしょうか?実施計画を出す前に、保護者・地域と納得のいく協議が必要ではないでしょうか?そして、子どもと親が安心できるように少なくとも、現在通学している在校生が卒業するまでは、特認校は残すことを考えてもいいのではないですか?


義務教育の通学費自己負担の解消について

市内には、バスでの通学に小学校で年間定期を買って1万4千円、中学校では2万9千円の保護者負担の地域があります。年間定期は新年度の前に一括で払わなければならず、兄弟がいると中学生では5万8千円と多額になり、買えないこともあります。それで1ヶ月定期を買うと、例えば、すずらん台から北中までは年間5万9千円、滝の原下出から名張中学校までは6万7千円かかります。
親の経済状況による、子どもの貧困が社会問題になっています。名張市においても、就学援助の対象者は10年間で3倍に増えています。定期代が高くて買えないという事態があると聞いていますが、対応はどのようにしていますか?
自治体は子どもに教育を保障しなくてはなりません。
義務教育で、お金がないと学校に行けないというのは、改善するべきことではないでしょうか?
せめて、就学援助の対象者には、距離に関係なく、通学費を全額補助すべきではないでしょうか?見解をお聞かせください。

中学校給食の早期実現について

1945年に学校給食法が「子どもの心身の健全な発達をめざすとともに、国民の食生活を改善することを目的・目標として制定されました。そして、2005年には、食育基本法が制定され、食育基本計画が進められています。
学校給食法では、第一条で、「子どもあるいは生徒の心身の健全な発達に資するために学校給食を行う」としています。第2条では、「日常生活の食事について、正しい理解や望ましい習慣を養うこと」「学校そのものが、給食があることによって豊かになり、人間性あふれるものにしましょう」「人のからだにいいもの、安全なものを食べ、心身の健康を増進する」「日本の食料の生産、流通、消費の理解を深め世界に目をむける視野をもつこと」を目標とされています。
この学校給食法に基づいて、名張市は中学校給食をまだ実施していません。
全国では80パーセントの自治体で実施されています。三重県下はどのようになっていますか?中学校給食の実施は今後どのようにお考えでしょうか?


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