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【10.02.08】岩手県立遠野病院を視察

公立病院が地域医療を守る

 遠野市は、花巻駅から電車で約1時間の所にあり、北上高地の中央に広がる盆地です。面積は825.62平方kmで人口は3万1千人です。基幹産業は農畜林業で、伝説と民謡のまちです。
 遠野病院は199床の総合病院で、救急告示病院です。午前中は一般外来を受け付け、午後は予約患者・入院患者の診察を行っています。医師は19名で、看護士は122名です。
 1月26日2時の約束で、遠野健康福祉の里を訪問する予定でした。ところが、強風のため電車が止まり、途中先方に連絡を入れながら、2時間遅れの4時に到着しました。当初3時から病院長と懇談の予定で、お忙しい中、懇談は無理かなと気落ちしていましたら、5時に院長室に案内され懇談をさせていただきました。 貴田岡院長は、初めて訪問で2時間も予定より遅れたのに、快く受け入れてくれました。とても恐縮して院長室に入ったのですが、私たちの緊張を和らげるように、地域医療と医師確保について話してくださいました。
 

  
 

医療・福祉・保険を一体化

貴田岡博史院長は、1983年に遠野病院の院長に赴任し、病状が快復し退院した患者が、自宅で寝たきりになっていることや、病院に通院できない人がいることを知り、それならばこちらから出かけて行こうと、訪問診療をはじめられたそうです。そのころは病院と市の接点がなかったようです。在宅へ行ってみると、その患者の様子や生活が良く分かり、何が必要かも見え、医療・福祉・保険を一体化に取り組まれています。

遠野方式在宅ケアシステム
 医療 医師による訪問診療と定期的な往診
    社会福祉協議会の訪問看護と訪問理学療法
 福祉 在宅福祉サービス
訪問入浴・ホームヘルプ
    ベット・エアマットの貸し出し
    デイサービス・ショートステイ
 保険 訪問健康指導
    介護・栄養・リハビリ指導
    医師による地域住民の健康意識向上のための「健康教室」

それまで、県立病院で市とは交流がなかったが、訪問診療をするにあたり、市も積極的に協力をしています。10人乗りの診療車に、看護士・放射線技師・検査技師・保健師(市から)または訪問看護士(社会福祉協議会、民間訪問看護)・ソーシャルワーカーが乗り込み、市職員が運転士を勤めています。車輌は市所有で、移動可能なレントゲンも配備しています。訪問診療から訪問看護、保険指導、介護指導、栄養指導が同時に行われ、時には必要であれば薬剤師が服薬指導に入ることもあるそうです。さらにこれだけでも寝たきりを解消できない場合は、理学療法士、ケアマネージャーも加わり、ケアプランをたてています。さらに、開業医とも連携をはかり、訪問診療の対象者150人を遠野病院で80人、開業医で70人を診ているそうです。
院長自ら地域に出向き、住民との距離を短く、そして敷井の低い病院をめざしています。
病院でもちつき、コンサート、そばうちなども開催するそうです。今にいたるまでは、様々な衝突もあったそうですが、院長が大きな理念を持ち医療を守っていることに感銘しました。

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