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【09.10.04】後期高齢者医療制度は廃止を!
最終本会議で後期高齢者医療制度特別会計に反対の立場で討論しました
後期高齢者医療制度は、2006年の通常国会で、「医療改革法」正式名称は「健康保険法等の一部を改正する法律」で、単独法ではなく、複数の法案の中で導入が決められました。
それまで、75歳以上の人は、生活状況や収入に応じ、様々な医療保険に加入していました。年金生活者や農業・商店を営んでいる人は国民健康保険で、みずから雇用されて働き、組合健康保険や政管健康保険に加入されていました。年収が180万円以下の低収入の高齢者は、サラリーマンの扶養家族として、健康保険に入ることもできました。
ところが、2008年4月から75歳というだけで、それまで加入していた国保や健保を脱退させられ、強制的に高齢者だけの独立保健に入れられました。75歳になったというだけで、今までと同じ仕事をしていても、扶養家族として暮らしていても、収入がなくても74歳以下の人とは別の保険となり、75歳以上全ての高齢者、ひとりひとりに保険料が課せられ、本人の意向を聞かず、年金から天引きされました。年金が少なく天引きできない高齢者には、金融機関の窓口で納めなさいと振込み用紙が送られました。
そして、診療報酬も74歳以下の人とは別建てになり、受ける医療にも制限がつけられ、自治体が行ってきた健康診断も実施義務がなくなりました。
なぜ、75歳で区切るのか、この問いに、厚生労働省は、1、老化に伴う治療の長期化と複数の慢性疾患がみられる。2、多くの高齢者に認知症の問題がみられる。3、いずれ避けることのできない死を迎える。と3点をあげました。これは、いずれ死を迎えるのだから、ほどほどの治療にしておけと言わんばかりではないでしょうか?さらに、制度導入のねらいは「今の現役世代が高齢者となった時の医療費を抑制するため」と明言しています。また「医療費が際限なくあがる痛みを後期高齢者が自分の感覚で感じ取っていただくことにした」とものべています。
高齢者だけの医療保険制度の破綻は目に見えています。保険料が下がった高齢者が8割などと言っても、2年ごとの保険料の見直しで、75歳以上の人口と使った医療に応じて保険料が上がっていき、今まで保険料を納めていなかった、所得のない人も保険料が課せられます。保険料の値上がりを耐えるか、医療の抑制をするか、75歳以上の高齢者にとって、痛みの選択となります。
実施から1年半が経過しようとしていますが、高齢者は受診の回数を減らし、一ヶ月分の薬を出してもらうや、一年以上保険料が納められなければ、保険証の取り上げになります。年齢で差別する医療保険制度は世界のどこのもなく、現在の「姥捨て山」とまで言われ、国民から非難をあびました。小手先の見直しではなく、後期高齢者医療制度という考え方自体を正すため、廃止しかありません。
社会保障の削減を止めて、老人保健制度の国庫負担を元に戻し、何歳になっても必要な医療が受けられるしくみを作っていかなければなりません。
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