<< 活動日誌の目次に戻る印刷用画面 >>

【09.03.20】住民合意のまちづくりを(3月議会・一般質問)

住民への周知・徹底ができていない

                 
今議会で、「名張市自治基本条例」第34条に基づき「名張市地域づくり組織条例」を提案し、可決すれば4月から地域組織の見直しを行おうとしています。その後に「新しい公」をうちだし、都市内分権をすすめようとしています。都市内分権とは、市民が自ら自分の住むまちづくりを考え、つくっていかなければならないのですが、そのことを市民は理解し、納得しているでしょうか?
昨年に、住民説明会がありました。どれだけの市民が参加しましたか?
都市内分権を否定するものではありませんが、名張市の進めかたが、果たして住民自治意識の向上を図り、住民主体のまちづくりになっているのか疑問です。
住民が地域づくりに参加するには、まず自身の生活が安定していなければできません。雇用や福祉をないがしろにしてはならない、この認識は市長ありますか?


名張市は地域自治において、区長制度を主とし、自治会を認めていませんでした。
区長制度は、市が区長を委嘱し、行政の末端を担ってもらっています。自治会は住民の民意により組織化し、住民が主体的に活動しています。これら、根本的に性質の違うものを行政主導で、ひとつの組織にすることに、問題はないのでしょうか?
また、地域組織の見直しでは、区長制度を廃止するとしていますが、区での区分けが基本で、区長又は自治会長の、代表者届け出制となり、地区代表者協力事務費が支払われます。これでは区長制度の廃止には、ならないのではないでしょうか?
そして、一本化されることにより、今まで区長さんが担ってきた行政の末端という役割を、地域組織が担うことになるのでしょうか?


市民の理解がすすんでいない、地域づくりの見直しを、性急にすすめるのはなぜですか?
制度の見直しの後「新しい公」が考えられています。これは、都市内分権の基本的考えを示した内容であると思います。本来なら、この基本理念から市民と協議し、理解を深め、住民とともに地域組織をつくるものではないでしょうか?



住民自治意識の向上は進んでいるのか

          
現在の地域づくり委員会は、住民の総意をもって運営している地域はありますが、全ての地域で、民主的運営が、確立されていか、疑問があります。名張市自治基本条例に基づき、課題解決・身近事務事業を担うとするなら、地域住民の総意を、反映できる組織でなければなりません。代表選出や役員選出は、住民の選挙などにより、総意によって行われなければならないはずです。新組織移行のために、各自治会や区の会則変更が必要になりますが、現状はどうですか?


コミニュティビジネスをすすめるということですが、地域組織の本来目的は、住民自治の向上であって、資金を稼ぐためのものではありません。コミニュティビジネスにあたっては、住民自治の本来の目的を見失うことのないように、しなければなりません。


都市内分権と補完性の原理と言いますが、どこまでが、地域づくりの責任で、どこから行政が補完するのか?それぞれ地域により、できるできないの差が出てくるでしょう。住民自治意識にも差がでるでしょう。これをあいまいにしたままで、地域格差にはどう対処するのか?市内住む所によって差があることは、自治法上認められません。市は手立てを考えなければなりません。どう考えていますか?




住民の総意が反映できるしくみが必要です

提案されている地域づくり組織条例では、地域に住む全住民が構成員となっています。全住民が協力して、地域課題を解決しなければならないしくみであるのに、そのことをまだ市民は知らないままです。説明会の開きかたは、各地域にまかされたため、全住民が説明会の対象となった地域、区長さん・自治会長さんなど役員さんだけの地域と、開催のありかたがまちまちでした。

地域説明会で「財源不足と職員の削減で、従来のサービスを維持するためには、この取り組みが必要」と言われていました。今まで市が行っていた市民サービスができなくなるので、地域で解決してくださいというものです。まさに市民の権利や義務に関わる地域づくりの見直しです。市民が知らないままで、行政が進めていいのでしょうか?
条例が制定されてから「もう決まったので協力してください」と言うのでしょうか?
官主導で制度化し、行政の仕事を市民にゆだねようとしていませんか?

区長制度と自治会についてですが、今まで、地域から行政への要望は、区長さんを通してということでしたが、これからはどうなりますか?

区長・自治会長の成り立ちと役割は現行では、基本が違いました。それを同じにすることは容易にはいかないと思います。

まちづくりは住民主体で、行政と連携しながらつくっていかなければならないのに、市は制度だけをつくって、しくみづくりは地域まかせです。これで、住民自治意識が育つのでしょうか?

区長さんや自治会長さんをはじめ地域の役員さんは、退職された方、仕事を持ちながらの方それぞれに大変です。地域住民の住民自治意識が育ち、協働で進めなければ、役員さんの負担が大変重いものになるのではないでしょうか?



地域予算の減額で地域に苦難がおきる

住民が基本となった組織では、個人が意見を言えるしくみが必要です。参加はうながしても強制や押し付けがおきないように、住民の人権が守られなければなりません。
自治基本条例の中の市民の権利・団体の権利・参加の権利を地域に反映できるしくみが大事で、それができていない地域には行政として改善の支援が必要ではないでしょうか?

ゆめづくり交付金には、子ども会の廃品回収支援や、敬老会費などの補助が、算定基準に含まれていましたが、地域協議の中で減額や廃止となった地域もあります。地域環境整備もボランティア頼みです。市民センターや公民館も地域づくり委員会が指定管理を受け、地域住民の支えで運営されています。今でも、十分とはいえない地域づくり予算を、都市内分権を名目に、削減しようとしています。地域づくり委員会では苦しい運営となり、地域事業をさらに削ることが迫られます。これでは、市民へのサービス低下が地域づくり委員会の決定と、責任になってしまいます。憲法25条に基づいて、市民へのサービス低下をさせないということは、本来、市の仕事です。これを地域に任せようとしているのではないでしょうか?

住民にとって嫌な役目を、負うことになります。

地域予算制度は、自主的な組織を支えるという定義で(活動支援)、お金の根拠が基本条例にない。今後はどのようになるのでしょうか?

コミュニティビジネスで、地域にお金があれば、交付金は減れされるのでしょうか?
自治会で儲けるというのは、本来の姿ではない、住民自治を守るということが基本です。


このままだと役員の過重負担や、名張市内住む所によって受けられるサービスの違いが出て、地域格差がおこることが懸念されます。そしてサービスが受けられないのは、自らの地域責任となるのです。
住民の権利や義務の生じる地域組織の見直しを、住民の合意なしに決めてしまうことは許されません。
区長委託料の廃止と地域予算の削減を、新年度予算に組み込むために、制度の制定を急いだ、これが市長、本音ではないですか?

行政は責任を果たせ

新しい地域組織の見直しでは、区または自治会が行政の役割を一部、担うことになります。この事を住民が承認しないまま、市が一方的に制度化しようとしています。区長・自治会役員に説明したとしていますが、自治会の活動や組織の変更は、一部の役員で取り決めるものではないし、新しい地域組織は全住民が対象となっています。住民の理解と承認が必要ではないでしょうか?
行政の都合で、住民自治組織を再編し、税による予算と役割を課すのは、認められません。
都市内分権や地域の自立した課題解決としていますが、これは、住民自治への行政の介入と統制になりかねません。地域組織とは、住民とともに住民自治意識の向上を図り、住民とともに、作り上げていかなければならないものです。そして、行政はしっかりと責任を果たすべきです。

<< 活動日誌の目次に戻る印刷用画面 >>

 ご意見、ご感想をお寄せください。

▲このページの先頭に戻る