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【09.03.20】3月議会・一般質問の内容

安易な保育所の民営化はやめよ

「仕事をしないと生活できない」就労の不安定化で、共働きでなければ生活できない
子どもを保育所に預けて働きたい、働かなければならない現状です。
全国的に保育所の入所希望者は増えていますが、保育所の増設はされず、
名張市でも遊戯室を保育室にするなどで、定員を広げてめいいっぱいの保育状態です。
本来ならば国が保育所の整備にしっかり予算をつけるべきですが、小泉構造改革で、今まであった公立保育所の補助を止め、交付税として一般財源化しました。当時の厚生労働省大臣は「保育の質が下がらないよう財源は自治体で確保される」と明言しましたが、名張市の現状はどうなっていますか?具体的にお答えください。


名張市の保育所は、全て公立で安心して預けられる保育水準が、長年、保たれてきました。低すぎる国の保育士基準より高く保育士を配置し、保育料も市で支援し、保護者の負担を軽減する努力をしています。現行の保育制度は、安心して預けられ、安心して通え、親・子ともに喜ばれています。施設の充実がたりないだけです。

H17年度の保育所民営化に関する基本方針では、大規模園五園を順次民営化にする計画が出され、一園が民間に移管されました。この基本方針では、公立保育所の保育を継続する内容でした。今回出されたH20年度の基本方針では、財政の悪化を理由に公立保育所全てを民間移譲の対象としました。しかも、市内で10年以上の保育の実績がある法人という条件も取り払い、条件緩和をしています。これは、どういうことでしょうか?
利用者にとって、安心感を考慮するということで、身近な存在として、市内で保育所運営実績のある社会法人や、幼稚園運営の実績と学校法人を対象としていましたが、これらの法人もそれぞれ事情があるでしょう。該当するところが受けてくれないので、この安心の条件を取り払うのですか?明確にお答えください。




国・市は責任を持って安心できる保育所の拡充をせよ

名張市の「保育所民営化に関する基本指針」に国の三位一体の改革により、公立保育所への補助がなくなり、市の負担が増えて、直営での保育所運営ができないと書かれているが、公立保育所へ通う児童ひとりあたりが、交付税の基準算定額となっており、公立保育所に全く補助がなく全て運営費が市の負担というのは違います。認識を改めてください。

公立保育所にも補助はあるが、交付税自体が削られているから、自治体財政が苦しく保育の充実ができない。ということですが、保育所は地方自治体に実施義務があり、児童福祉法で保育に欠ける子には自治体が責任をもって、保育を提供しなければなりません。また、子どもの最善の利益を求める、子ども権利条約、我が市の子ども条例にも、子どもの健やかな育ちを保障することに務めるとあります。ですから、法に基づいて本来ならば、保育所の増設をすすめるべきです。どうなんですか?
自治体は財政が苦しく公的保育の充実ができない、国が保育に予算をしっかりつけ、保育所整備をすすめなければならないのに、保育にお金をかけないために、民間ゆだねようとしていませんか?

神奈川県川崎市では「待機児童解消」として、毎年民営化を実施し、5ヶ所でわずか15人の定員増だけでした。

民間になった場合保育料が値上がりすることはありませんか?

H17年度の指針では「市があらかじめ認めた実質徴収以外の費用を、保護者に求めないこと」が「求める場合は運営委員会の承認と保護者の理解を得る」に変わっています。これは、保育料の追加、実質保育料の値上がりの可能性があるということになります。今でも生活が大変で働く子育て家庭に、保育料の負担が増えることは認められません。親は追加料金はいやでも、そこしか預けられなかったり、追加しないとやっていけないとなったら、認めるしかないし、追加が払えなかったら子どもを預けられない事態がおこる


直接契約導入では子どもの保育が守れない

国の民営化の流れの中で、厚生労働省の審議会は2月24日に「新たな保育の仕組み」を決定しました。これは、市町村の保育実施責任をなくし、利用者と保育所の直接契約に変え、全てが親の責任になります。新たな保育の仕組みのモデルは介護保険制度です。保育所探しから保育料の授受も全て自己責任になります。これでは、お金がないと保育が受けられない。入れる保育所がなければ、子どもが置き去りになります。子どもの育ちを市場原理にゆだねるべきではないと、全国でも声が広がり「現行保育制度の堅持・拡充を求める」国会請願署名は2006年以降3年連続で、衆参両院で採択されています。全国保育協議会・日本保育協会・全国私立保育連盟の保育三団体も「直接契約導入反対」の態度を表明しています。
名張市においても12月議会で意見書提出を可決しています。

待機児童の解消を口実にしていますが、目的は企業の参入です。しかし企業の代表は、制度改変には基本的に賛成の立場だが「待機児童が多い地域では、入れない問題は残る」「ベネッセスタイルケア」「形式的基準だけで参入させるのは事業者の健全性まで測れず、保育の質が担保できない」(jPホールディング)と発言しています。
市長、大事な子どもの保育をこのまま企業にゆだねて、大丈夫だと思いますか?

企業に保育の予算をつぎ込むための制度の見直しより、必要なのは保育所増設のための財源を国が保障することです。
保育を民間営利企業にゆだねる構造改革路線を転換し、経済情勢が不安定な時だからこそ軍事費を削り、子どもの最善の利益として、公的保育所の充実に使うべきではないでしょうか。


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