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【08.10.29】市立病院を守る!

自治体病院の現状

 全国的に自治体病院の財政は年々悪化し、病院の閉鎖や民間委譲がすすんでいます。深刻な経営難に陥った要因として
1、国の医療費抑制政策のもとでの診療報酬の引き下げ
2、患者負担の増加による診療抑制
3、構造改革の推進での交付税削減により、一般会計からの繰り入れ減
4、抑制政策による医師・看護士不足


財政健全化法の影響

 今年度より財政健全化法が施行され、一般会計と病院などの特別会計が連結決算となります。多額の不良債権を抱える自治体は、財政再建団体を逃れるため民間委譲など、自治体からの切り離しに加速がかかるでしょう。民間経営になると、不採算部門の受け入れ拒否や、差額ベットの徴収、職員の給与の削減が懸念されます。


公立病院改革ガイドライン

「骨太方針2007年」で、財政面からの効率性を追求することを基本にしたガイドラインでは、経営効率化・再編ネットワーク・経営形態の見直しに基づいて方策を示しています。自治体病院の困難の原因である医療費削減政策はそのままで、自治体にのみ改革をせまるものです

名張市立病院の現状

 名張市立病院は、建設費の債務はありましたが、単年度収支ではH18年度までは黒字でした。しかしH19年度からは、医師不足により医療業務の縮小を余儀なくされ、外来は1万2千人減、入院は9千5百人減となり、経営が悪化し不良債務が発生しました。
 救急輪番制では、患者が重なり受け入れができないなどの事態があり、市民の命が脅かされています。9月議会で、10月から眼科医が1名増員、内科医1名要請中ということが明らかになりましたが、内科の紹介外来や、伊賀市との救急輪番制の解消は明確にされていません。市長は、名張市立病院の自立をめざし、同時に伊賀館内での拠点化も、協議をしているとの答弁でした。
 今後12月に「市立病院改革プラン」の概要を決め、来年の3月に改革プランを国へ提出し、単年度のみの病院特例債をうける予定です。

根本に医療費抑制策

 地域医療の崩壊を招いたのは、これまでの自民・公明政権による、医療費抑制政策によるものです。安心して、住み続けられる地域医療実現のため、住民の生活実態にあった医療水準を確保する政策への転換が必要です。経済性・効率性のみを求めることなく、医療を国の安全保障と位置づけ、医師の労働条件の改善や、病院が安定した経営ができるような政策への転換が、早急に求められます。


市立病院を守るために

 安心して名張市に住むため、市内で唯一2次救急を担える市立病院を守ることは、住民の切実な願いです。
 市民の健康確保と、地域における医療の水準維持・向上・保険福祉を一体にした医療行政を住民参加で実施する必要があるのではないでしょうか。市立病院を守ることを、市民みんなで共有し、医療の現状をもって、国・県へ政策の転換と支援の声をあげていく、このことが自治体病院を守る、大きな要となると考えます。


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