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【08.06.29】 議会最終日に討論しました

後期高齢者医療制度を廃止を求める請願について

 教育民生委員会の報告に反対し、請願に賛成の立場で討論いたします。
 老人保健法の目的・第1条には、「国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図り、老人福祉の増進を図ることを目的とする」と明記されています。これが、高齢者の医療の確保に関する法律に変わり、その目的が高齢者の医療の確保を図るため、医療費の適正化を推進し、前期高齢者に係る保険者間の費用負担の調整、後期高齢者に対する適切な医療給付等を行うための制度を設けるとなっています。すなわち、目的が高齢者の健やかな健康維持から、医療費と受ける医療の適正化と変わったのです。
 これを元にして作られた後期高齢者医療制度が、4月から実施されもうじき3ヶ月になろうとしています。保険証が解りづらい、手元に届かない、まともに受け取れていない年金から、保険料の容赦ない天引きや、算定ミス、収入のない高齢者への保険料負担や、65歳以上の障害者への強制加入などがあり、高齢者の尊厳と、適切な医療の確保が守られない事態がおきています。現役世代に負担をかけないためとしながら、現役世代からの保険料徴収や、2年ごとの保険料見直しにより、際限ない保健料の引き上げがあり、今の現役世代が後期高齢者になったとき、2025年で平均年間9万円以上にもなります。
 問題がおきるごとに、小手先のつくろいで見直し案が出されていますが、根本的な解決にはなりません。この先、どれだけつぎはぎをしていくのでしょうか?
 医療を提供する医師会からも、激しい怒りの声があがっています。35都道府県医師会が、外来患者の囲い込みと診療報酬の頭打ちになると、制度そのものに反対、または慎重対応、見直しなどの態度表明をしています。
 保守の長老である塩川正十郎氏も、後期高齢者医療制度の通知を見て「その紙切れは、私の人生を否定するものでしかなかった」と述べています。政府は「制度維持」のためと盛んに言っていますが、制度維持のために姥捨て山のしくみをつくったことだと、堀内光雄自民党元総務会長も言っています。
 耐え難い負担と医療差別を強いる、後期高齢者医療制度に対して、廃止を求める国民の世論が、地方政治でも最大の争点となり、参議院において廃止法案が可決されました。問題の多い後期高齢者医療制度は、いったん廃止して、3月まで実施していた老人保健法に戻し、財源問題も含め、国民が安心できる医療制度について、議論を重ね国民的討論で合意をつくることが必要ではないでしょうか?
 今回出された請願には、高齢者の切実な生活実態をもとに、制度の廃止を求める意見書を政府に提出することを求めるものです。
 議員の皆様の賛同をお願い申し上げ、請願に賛成の立場での討論を終わります。

名張市一般会計補正予算について

 平成20年度名張市一般会計補正予算について反対の立場で討論します。
 今回提案された補正予算には、乳幼児医療費の就学前までの拡大と、心身障害者医療費助成の削減があります。
 乳幼児医療費の就学前までの拡大は、雇用が安定せず、まじめに働いても普通の暮らしさえできない、また小児医療や救急医療が整わない中、こどもが具合が悪くなったらすぐに病院に診せ、こどもの健康を守って元気に過ごさせてあげたいと、子育て中の親の切実な願いとして、長い間、待ち望まれていたものです。今回、県が乳幼児医療費助成を就学前まで拡大し、名張市も合わせて拡大したことは、大変喜ばしいことです。有効な子育て支援になると思います。乳幼児医療費助成の拡大には、大賛成です。
 心身障害者医療費助成について、名張市は、他市に先立ちその必要性をいち早く理解し、実施してきました。働くことができず、年金などの収入のない人に、治療と入院が必要であれば、市として当事者を支え、命と医療を守ってきたのです。特に精神障害については、同じ障害でありながら、認知が低く、独自に助成を行い、精神障害者の生きる権利を守ってきました。これは誰もが認め、誇れるものであります。
 この心身障害者医療費助成については、昨年からの懸案事項で、平成19年3月議会において、削減案が提案され議会で継続審議となり、その後市長が「県において助成の改正が後にあるため、制度変更が重なり当時者の困惑と、市の制度変更の手間がかかるため、県の動向を見る」と削減案を撤回しました。そして、今議会で県の動向を見て提案があり、当事者・関係団体・医療関係者から制度の現行維持を求める請願があがっています。市長は議会中に「今回の提案は暫定的であり、9月に再度見直し案をだす」と答弁されました。
 昨年、市長が撤回した理由が、「当事者の困惑」と「制度変更の手間」であったのに、今議会で同じように短期で制度変更がある事になります。見直すのであれば、その確固としたものができるまで、現行維持するべきではないでしょうか?
 今回、3公費の中で、乳幼児医療費と心身障害者医療費の2つが、拡大と削減で対比するように提案されました。このように、一方がよくなり、一方が後退する事は、3公費医療費助成の本来のあり方ではないものです。県の助成が精神障害1級を前進し、入院の食事療養費を削減していますが、亀山市や桑名市では市単で助成を継続しています。
 提案されている補正予算は、乳幼児医療費が2710万円の増額そのうち、県補助が2分の1つくので、市の持ち出しは1355万円です。心身障害者医療費助成は、精神の1級の通院が県で拡大され、180万円が減額のうち、補助が2分の1なので市としては90万円の減額。差し引き1265万円と乳幼児のシステム改修費の増額を、市長も苦慮されているとおもいますが、緊急として予備費を使うことも、考えるべきではないでしょうか?そうすれば、今年度においては、乳幼児医療費は就学前まで拡大し、心身障害者医療費助成は現行を存続できます。
 国のすすめる障害者自立支援法では、応益負担の導入で、自立と受益者負担と言われ、人として生きるための権利を、お金で買うということが行われています。憲法25条の第1項には生存権、第2項には国の努力義務が明記されています。人が生まれ、育ち、人生の最後を迎えるまで、誰もが対象になる可能性があり、例えそうなったとしても、人生を豊かに生きるため、社会保障を確保しなければならないと思います。
 心身障害者医療助成を後退させることなく、守る立場で予算をつけていただくことを願い、補正予算に対する反対討論といたします。議員の皆様の賛同を心よりお願い申し上げ、討論を終わります。

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